12月23日夜、クリスマスイブムードに包まれた北京市最西端。筆者は香港系「鳳凰衛視(フェニックステレビ)」の人気トーク番組で、著名アンカー胡一虎氏による「一虎一席談(Tiger Talk)」にゲストとして参加していた。
COP15で勝利したのはどの国だったのか
先月コペンハーゲンにて開催された気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の「北京版」。
焦点となったのは、二酸化炭素排出量削減は中国の経済発展にどう影響するか。「先進国VS途上国」PK合戦には、COP15中国代表団のコアメンバー、経済・気候変動専門家、企業家、米国、フランス、インドからのゲストも加わり、激烈な議論となった。
COP15では、2013年以降の枠組みとなる「ポスト京都」は達成されなかった。米国、中国、インド、ブラジル、南アフリカが「間に合わせ」で作ったコペンハーゲン合意のみが謳われた。「世界全体としての長期目標として産業化以前からの気温上昇を2度以内に抑える」
「先進国は、2010~2012年の間に300億ドルの新規かつ追加的な資金による支援を共同で行い、2020年までに年間1000億ドルの資金動員を約束する」などの目標のみが羅列された。
中国人はこの「成果」をどう認識しているのか。中国人ゲストの主な発言をレビューしてみよう。
「中国人は環境破壊の怖さを身に染みて分かっている!」
「コペンハーゲンでは、先進国が団結したリーダーシップを取れず、かつ具体的な目標設定を怠った。途上国は明らかに被害者だ」
「産業革命以来、環境を破壊してきたのは誰だ? 先進国が率先して取り組むのは当たり前だ」
「先進国は中国の環境・省エネ政策を批判する。現状として、我々は原料を輸入し、商品を輸出している。つまり環境に損害を与える製造過程のみが中国で行われている。この状況下で先進国が資金や技術を中国に積極的に提供しないのは卑怯ではないか?」
「オバマの演説は机上の空論以下だ。超大国の米国が率先せず、中国を叱責するとは何事だ!」
「先進国はまず適当な資金・技術を譲渡し、中国のグリーンエコノミーを促進すべきだ。中国の経済発展が鈍ることで、損害を被るのは我々だけではない。貴方は傍観できる立場にあるのか?」