やや専門的になるものの、「恋愛市場」と通常の商品が売買されている「一般の経済市場」との類似点、相違点を明確にしておいた方がいいでしょう(表1参照)。

保有期間によって投資リスクが大きく変わる

 まず似ている点。既に述べたように、両者とも商品の交換・売買が行われていて、その過程を利潤追求の観点から見ると、資本を投資してリターンを求めている、というように解釈することができます。

 リターンを求める過程では、大なり小なり必ずリスクが伴います。中期的な保有形態である恋愛にはそれほどリスクは伴いませんが、結婚といった長期保有には大きなリスクが伴います。

 一般の経済市場でも、日々の惣菜などの安価な買い物にはリスクは少ないですが、不動産を購入するといった高価な買い物をする場合には大きなリスクが付随してきます。

表:一般の市場と恋愛市場の比較
  一般市場 恋愛市場
類似点 商品の交換や売買を行う。投資に対してリターンを求めるが、リスクが必ず伴う。需要と供給の関係で商品の価格が決まる。社会システムや時代の影響を受けやすく、求められるものが変化することが多い。
相違点 商品の交換が比較的容易。金銭を通じた売買。明確な数値で表れるため、評価が一定。 商品の交換が難しい。特に損切りが難しい。物々交換である。数値化が難しく、評価が人により異なる。
市場の公開性がある。市場に参加している意識がある。 市場は閉鎖的で、流動性に乏しい。参加意識がない場合あり。
商品取引は明文化されていることが多い。 商品取引のルールはないに等しい。明文化されていない場合がほとんど。

 また、原則的に需要と供給の関係で価値が決まる点は、一般市場でも恋愛市場でも同じです。恋愛市場では、男女の数はほぼ1対1なのですが、供給される商品の質が異なります。良質な商品は需要が高く、質的に劣る商品は需要が少ない(売れない)という事態になりますが、それは一般の市場でも言えることです。