2日のNY市場、この日発表になった米雇用統計が予想外に弱い数字となり、市場全体にリスク回避の雰囲気が強まる中、為替市場でもユーロや資源国通貨が下落し、相対的にドルが買われる格好となった。
特にユーロの売りが目立った。ギリシャ第2次支援実行への不安、イタリアの財政再建の可能性、来週のECB理事会、そして、ソブリン債を保有する欧州銀の信用問題など、ネガティブな材料が次々とクローズアップされている。クレジット市場でも欧州ソブリン債のCDSはスプレッドが拡大しており、ドイツ債と各国の国債利回り格差も拡大している。ドイツ債は逃避資金を集め、10年債利回りが一時2%を割り込む状況。
今回の米雇用統計の結果を受け、FRBによる追加緩和期待も高まっており、ドルも買い難い状況ではあるが、それ以上にユーロも買えない状況となっている。
一方、ドル円は相変わらずレンジから脱出できず膠着した動き。雇用統計発表直後には売りが強まり、一時76.50付近に下落したものの、ドル買いにサポートされ76円台後半に戻す動き。一方でユーロ円は下値模索が続き、108円台まで一時下落している。
◆オペレーションツイストを見込む動きも
米雇用統計の弱さを受け市場はリスク回避の雰囲気が強まっている。株、原油とも大きく下落し、為替市場もユーロや資源国通貨が売られている状況。但し、いつものリスク回避とは違った動きが見られる。米国債市場だ。10年や30年といった長期債利回りはいつものように低下しているが、2年、3年といった短期債の利回りは逆に上昇している。
一部にはFRBがオペレーションツイストを実施して来るのではとの観測も出ているようだ。オペレーションツイストとは長期債を買う(利回り上昇)と同時に短期債を売る(利回り低下)オペ。流動性供給を一定に保ちつつ長短金利を互いに反対方向へ動かす。1960 年代初期のケネディ政権下で実施された。
FRBの保有資産をより長期債にシフトすることによって保有期間が長くなることから、バランスシートを拡大することなく、インフレを抑制しつつ、量的緩和を持続させる。
また、短期ゾーン利回りが上昇することによってドル資金を呼び込みやすくドル防衛にも一役買うというもの。但し、イールドカーブはフラット化することもあり、それに対する効果は未知数。きょうの米国債市場でも
イールドカーブは大きくフラット化していた。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)