筆者は11月6日作成「国債増発の『火種』また2つ」において、(1)2009年度補正予算執行凍結で浮いた2.9兆円を2009年度第2次補正予算での経済・雇用対策に全額充当する案が政権内で浮上していること、(2)2009年度の税収が当初想定した約46兆円を大きく下回って35兆円程度まで落ち込むとの観測が政府内に出ていること、の2点に言及した。いずれも、さらなる国債増発につながりかねない、債券市場にとって非常に厳しい話である。

 その後、以下のような動きが出てきている。

 (2)に関連して、峰崎直樹財務副大臣が7日の札幌市での講演で、2010年度予算編成における国債発行額に関連し、「前の内閣の44兆円を上回らざるを得ないくらいの(厳しい)税収見通しが出てくるだろう」「来年度予算を組む時は本当に火の車だ」と発言。2010年度の国債(新規財源債)発行額が「44兆円枠」を突破する可能性に言及した(11月8日 朝日・読売新聞)。12月上旬にも明らかになると見込まれる2009年度の最新の税収見積もりは、債券市場にとってネガティブサプライズになり得る。