29日のNY市場はリスク選好の動きから円売りの動きが優勢となった。先週末のバーナンキFRB議長の講演を受けて景気に対する楽観的な見方が広がり、投資家のリスク許容度が改善している。この日発表になった7月の米個人消費支出が予想を上回ったことや、ギリシャ銀の合併のニュースもフォローとなった。

ユーロ円や豪ドル円は上昇し、豪ドル円は82円近辺まで上昇。ドル円は76円台半ばから77円台をトライする動きも見られたが、77円台には輸出企業の売りオーダーも観測される水準で慎重な動きを続けている。

この日はスイスが急落し、対ユーロで本日の安値から300ポイント超下落。市場はリスク選好の雰囲気が強まっており、安全資産として買われてきたスイスに手仕舞い売りが強まっている。先週末に発表されたIMM通貨先物の建玉は8月23日付けで9637枚の買い越しまで膨らんでいた。24日以降、買い残も減少していると思われるが、尚、高水準に膨らんでおり巻き戻しの圧力も強そうだ。

◆ユーロドル、6月からのレンジ上限はなお抵抗感強い
リスク選好の雰囲気からユーロドルは1.4550付近まで上昇する場面も見られたが押し戻されている。きょうもダウ平均は200ドル超の上げ幅を記録するなど投資家のリスク許容度は改善を見せているが、6月から続くレンジである1.3950から1.4550のレンジ上限は抵抗が強いようだ。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)