18日の東京市場は、アジア株主導で株安が進み、リスク回避ムードが支配的だった。前日のNY株式でハイテク中心のナスダック指数が下げて終わったことが嫌気された。日経平均は午後にかけて100円超の下げとなる場面があったほか、韓国や台湾といった半導体関連に強い企業が多い国の株式市場が軟調だった。ユーロの上値の重さが目立ち、ユーロドルは1.44台前半から1.43台後半へ、ユーロ円は110円台半ばから110円台前半へと水準を下げている。豪ドルも軟調で、豪ドル/ドルは1.05台半ばから1.04台後半へ、豪ドル円は80円台後半から80円台前半へと下押ししている。一方、ドル円は昨日の海外市場で76.40レベルと戦後最安値を意識させる水準まで下げた後、東京市場では76.70近辺まで戻す動きをみせているが、戻りは30銭程度と限定的。
市場では、中尾財務官が日銀の中曽理事と為替問題で会談したことが話題になった。同財務官は、(為替で)アラートの状態を続けている、との表現を使っていた。為替介入への思惑も広がりつつあるようだ。ただ、各通貨とも値動きは緩やかだった。
◆欧州勢、スイス売りから参入
日本時間14時半ごろからにわかにスイスフラン売りが強まっている。ユーロスイスが1.1380レベルから1.15台乗せまで、ドルスイスは0.7915レベルから0.7990近辺まで急伸する動きとなっている。昨日は、スイス高対策でスイス中銀が流動性供給の増額を発表された。市場ではユーロとスイスのペッグなどより大胆な対応を期待していただけに、スイス買いの反応もみられたが、一時的な動きにとどまっていた。昨日の対応をきっかけに、スイスフランの急激な変動が収束してゆくのか、注目される。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)