20日のNY市場は概ねドル売りが優勢となった。明日のEU首脳会談で、ギリシャ支援問題に関して一定の解決策が出るのではとの期待感が根強い。ロンドン時間には欧州金融安定ファシリティー(EFSF)による柔軟な与信枠や流通市場での債券買い入れを認める可能性を協議しているとの報もあり、重債務国の債券も売りが一服する中、ユーロは強含みで推移している。ユーロドルはNY時間に入って序盤は利益確定売りに押され、1.41台に下落したものの、1.4170近辺での買いが厚くサポートされ、後半は1.42台に戻す動き。
一方、相対的なドル売りの動きから、ドル円は上値を圧迫。一時78.75近辺まで下落している。ただ、中東筋の買いも観測されていた水準でもあり、強いサポートと見られる78.50水準までは下押しする動きまでは見られなかった。
◆ユーロ円、揉み合いの中、10日線が実線に近づく
ユーロ円は112.00付近での推移が続いた。この数日間112.00付近での振幅が続いている。先週の急落で10日線からの下方乖離も拡大し、値ごろ感からショートカバーや押し目買いが入り下げが一服している。
ただ、リバウンドの動きを見せることもなく、安値圏で揉み合っている状況。その間に10日線が実線に接近、拡大していた下方乖離も縮小し、下げ過ぎ感も薄まってきているが、持ち上げる力が無いことから、状況によってはもう一段の下げが出る可能性も警戒される。EU首脳会談後の動きには注意したい。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)