19日の東京市場は、ドル円79円近辺、ユーロドル1.41台前半での揉み合いが続いた。3連休明けで静かな相場展開になっている。18日のNY市場ではユーロ相場主導でショートカバーの動きがひろがった。ユーロドは1.40台前半から1.41台乗せ、ユーロ円は一時111円割れから111円台半ばへと反発していた。東京市場でもその延長線上の動きだった。このあとの海外市場での独米経済指標の発表、カナダ中銀政策金利発表、米主要企業の決算発表などのイベントを控えて、模様眺め気分が支配的だった。18日NY株式市場の下落を受けて、日経平均やアジア株も軟調に推移しているが、為替市場では、むしろクロス円が底堅く推移している。ただ、市場では欧州ソブリンリスクや米債務上限法案の行方などの不透明感が残るなかでの円売り・ドル売りは、ポジション調整主導にすぎないとの声が多かった。ロンドン早朝にかけては、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が、ギリシャがデフォルトなら非常に重大な結果、と指摘。ユーロドル1.41割れ、ユーロ円111.50割れなどへと再び軟化している。
◆豪中銀議事録、豪ドル売り反応も限定的に
7月豪中銀議事録は慎重なトーンだった。現在のやや引き締め気味の政策が引き続き適切、としながらも、インフレの分析にはさらに時間掛かる、と早期利上げ期待は大きく後退している。さらに、これまでの、ある時点での引き締めが必要、との文言はみられなかったことも豪ドル売りを誘った。ただ、この反応は限定的で豪ドル円は84円近辺、豪ドル/ドルは1.06台前半での取引に留まっている。議事録では、第2四半期の豪消費者物価指数が今後の金利動向の趨勢を判断する上で重要、と指摘している。発表は日本時間7月27日10時半の予定。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)