20日の東京市場ではリスク回避でドルが買われた。ギリシャに対する7月の融資判断が先送りされたことが嫌気されている。NY原油先物は時間外取引で4ヶ月ぶりの安値圏に下落しておりアジア株は軟調、ユーロドルやポンドドルは先週末のNY市場での安値を下抜けた。クロス円も売られておりポンド円は3月18日以来3ヶ月ぶりとなる129.10台まで一時下落した。
ドル円は80.10-20台で堅調に推移。朝方財務省が発表した5月の通関ベース貿易収支で貿易赤字額が予想を上回り2ヶ月連続の赤字となったことからドル円はやや買われた。また5・10日(ごとうび)の仲値は200本程度のドル不足との観測があり、ユーロドルのドル高にもつられてドルはじり高となった。
ドル高の動きでドルスイスは先週金曜日の高値を上抜ける場面があったが、早出の欧州勢はスイスフラン買いで先行しておりドルスイスは伸び悩んでいる。
ルクセンブルクで現地時間19日に開催されたユーロ圏財務相会合では深夜まで協議がなされ、7月に予定されるギリシャ向け120億ユーロ(EU87億ユーロ、IMF33億ユーロ)に関して7月初旬に臨時財務相会合を開きそこで検討するとして判断を先送りした。ギリシャが融資を受けるには緊縮財政案の議会通過を必要としている。今後はギリシャ議会の動向が焦点となりそうだ。まず明日行われる予定の新内閣信任投票が注目される。不信任となれば相当のダメージとなりそうだ。
ただ外堀も徐々に埋められてはいるようだ。週末に主要7カ国(G7)の財務相と中央銀行総裁による電話会議がなされた。詳細は明らかにされていないがギリシャ問題のソフトランディングに向けての地ならしをしている、との見方があった。
Klugアナリスト 鈴木信秀