13日の東京市場は、ドル円が80円台後半へ上昇するなどドル高が優勢になった。週末の英FT紙に8月の米債務上限法案が民主・共和両党で合意されなければ米国債に売り圧力、との記事が掲載されたことが材料視されている。小幅ながら米2・10年債利回りが上昇している。低金利通貨中心にドル買い圧力がみられ、ドル円は一時80.70レベル、ドルスイスは0.8470近辺へと上昇、それぞれ早朝の水準から40ポイント程度買われた。また、ニュージーランドでの余震報道でNZドルが急落したことがドル買い圧力となった面もあったようだ。NZドル/ドルは0.82台前半から0.81台前半へと下落した。ユーロドルは1.43台前半、ポンドドルは1.62台前半など先週末のドル高水準での揉み合いだった。

日経平均は寄り付き直後に120円超の下落となり、9400円を割り込む場面があった。その後はやや下げ幅を縮小しているものの、引き続きマイナス圏で取引された。先週末のNY株式市場が米景気回復への不透明感から大幅安となったことを受けた動き。また、中国の新規融資が予想ほど伸びず、マネーサプライM2が30ヶ月ぶり低水準となるなど人民銀行の引き締めの影響がみられていた。あすの中国主要経済指標の発表を控えて上海株は軟調に推移している。朝方発表された日本の機械受注も予想を下回る結果だった。全般に、ネガティブな材料が多い週明け相場となっている。ただ、クロス円はドル円の上昇を受けて底堅く推移している。

◆NZで余震、NZドル急落
この日は豪州が女王誕生日のため休場、東京市場もあすの日銀政策金利発表を控えてやや落ち着いたムードで取引始まった。日本時間10時過ぎにニュージーランドのクライストチャーチでM5.5規模の余震発生の一報に、NZドル売りが強まった。NZドル/ドルは0.8220近辺から0.8120近辺まで、Nドル円は66.10近辺から65.30台まで急落し、その後の戻りは鈍い。余震の規模は2月の地震以来最も強いものだった。キーNZ首相は、被害の程度について発言するのは時期尚早としたが、余震は新たな被害を与えた、クライストチャーチ市長は非常事態を宣言するだろう、との警戒を表明している。人的被害は少ないようだが、インフラなど同国経済への影響はまだ不透明のようだ。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)