閉じる ×

日本企業の「大人」だけが知らない
「学生フォーミュラ」に集う若者たちの実力

2012.9.21(金) 両角 岳彦 follow フォロー help フォロー中
このエントリーをはてなブックマークに追加
この写真の記事へ戻る
「学生フォーミュラ」はこんな形の小さな単座競技車両を、学生たち自身が企画、設計、製作、開発を行うプログラム。ものづくりの起承転結を1年間に凝縮して体験するわけだ。今年の全日本大会は次年度の本開催に向けてEV(電気自動車)のプレ大会も併催。手前の「E1」はそこで最速だった静岡理工科大学チームのマシン。残念ながら思わぬトラブルでエンデュランス完走ならず。ドイツ大会では内燃機関か電気駆動かを分けずに実施する段階(採点は別)に進んでいる。以下、(*)を除き筆者撮影
コスト審査の様子。奥に見える(手前の審査員とチームメンバーの間でも広げている)分厚いファイルが、学生たち自身が一定台数を生産することを前提に細かな部品の一つひとつまで試算したコスト一覧のプリントアウト。デザイン(設計)審査もそうだが、こうした提出書類にあらかじめ目を通しておき、現場で現物と照合しつつ質疑応答、審査を進めるジャッジ(審査員)が費やすエネルギーも非常に大きい。こうした人々も基本的にはボランティア。それにしても静的審査や車両準備はもう少し良い環境でできるようにしてあげたいものだ。
最終日の表彰式、総合優勝が発表された瞬間の京都工芸繊維大学チーム。昨年の12位から1桁台の上位を狙っていた、というが、エンデュランス競技でトラブルに見舞われリタイアする有力校が相次いだことで、最後は大阪大学チームとの僅差の争いに。「速さ」を実現するモータースポーツとして正当なアプローチで勝ったことの意味は大きい。
タイム、燃費ともにトップに立ったエンデュランス競技を走る京都工芸繊維大学チームのマシン。大会の状況をライブ配信したUSTREAMの動画(現在は録画で見られる)より(*)
全チームの設計および開発内容の審査が終わった後、審査員団が「これは」と思う採点上位のチームとマシンを集めて、参加者の前でチーム自身によるマシンと設計内容の紹介、デザイン審査委員長による講評を行う「デザイン・ファイナル」。今年は、上智大学、大阪大学、京都大学(写真では左から)の3チームがこの場に立った。空力的付加物でタイヤを路面により強く押しつけようというデザインの上智大学がこの部門の最高点を獲得したが、筆者個人としてはアルミ合金骨格他緻密な設計と造り、運動能力の高さも実現した京都大学のマシンを高く評価している。これももっと大きなステージで、動画中継もして、多くの人々に見ていただきたいイベントである。

産業の写真

トランプ2.0で原油価格に「下抜け」懸念、60ドル割れも…需要低迷に米中対立激化と中東情勢改善が追い打ち
MS、メタ、アマゾンなどの巨額投資を投資家が不安視
【試乗レポート】年間販売わずか70台、ホンダが新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」に期待すること
創業100年を迎えるシヤチハタ、舟橋正剛社長が見据える「脱ハンコ時代」の生き残り戦略
アダストリアはなぜ「GMSの衣料品売り場」を手掛けるのか?木村社長が語る「ファウンドグッド」誕生の裏側
目指すは「バッテリー一本足打法」からの脱却、TDK齋藤社長が語る“未財務資本”に根差した変革の道筋

本日の新着

一覧
衝撃KO、中谷潤人の可能性をどう伸ばしていくのか?
大谷翔平、井上尚弥…スター選手たちとマネジメントはどう戦うのか?
澤井 芳信
温暖化防止資金をどう捻出するか、COP29で「暗号資産」「超富裕層」「プラスチック&ポリマー」への課税が議題に
木村 正人
「モテた偉人・恋に奔放だった偉人ランキング」トップ3、個性的すぎる日本史人物の意外な恋愛エピソード
真山 知幸
なぜアメリカのイスラム教徒はトランプを支持したのか?アブラハム合意とネタニヤフにマッチョな姿勢に期待か
福音派だけでなく、カトリックやイスラム教徒の支持も得た背景を国際政治史学者の松本佐保氏が語る
長野 光
フォロー機能について

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。


設定方法

記事ページのタイトル下にある「フォローする」アイコンをクリックするとその記事の著者をフォローできます。


確認方法

フォロー中の著者を確認したい場合、ヘッダーのマイページアイコンからマイページを開くことで確認できます。


解除方法

フォローを解除する際は、マイページのフォロー中の著者一覧から「フォロー中」アイコンをクリック、
または解除したい著者の記事を開き、タイトル下にある「フォロー中」アイコンをクリックすることで解除できます。