会議は毎回がテスト! しゃべらないと採点すらされない

 「学生は勉強していればいいんだからいいよな」「社会人は毎日がテストなんだぞ」なんて言いますが。

 会議はまさに毎回、テストです。「これをどうしたら面白くなるのか」という問いにみんなが答えを出していく。その正解不正解を総合演出がジャッジしていくわけですが、テストと違うのは、しゃべらないと答案を出してないのと同じで、採点すらされないんです。

 番組における作家の序列はチーフがいてセカンドがいて…と続いていき、当然それぞれのポジションによってギャラも変わってくるわけで。(ちなみに放送作家のギャラはオンエアに対して払われます。ただ、不思議なもんで、番組が始まる時、自分のギャラがいくらなのか知らない。オンエアが終わってからプロデューサーから連絡がきて「今回、この値段で…」と言われて知る)

 なので、会議で少しでも役にたって、ギャラを決めている誰かにアピールしておかないといけない! 少しでも上のポジションになっていいギャラもらいたい! なんてことも思うんですが(それでギャラが変わるのかどうか知らないけど)。それでもやっぱりしゃべれない。

 会議を終えるたびに、「またしゃべれなかったな」とか。「アレを言えば良かった」とか「あれは違ったな」とか反省しながら帰っていくのです。

 放送作家は「作家」を名乗っていながら、書くだけじゃなくて、おしゃべりも上手くないといけないなんて聞いてなかった。

 そんな中、このコロナ禍。あっという間に対面会議は少なくなっていき、リモート会議が主流となりました。
 で、リモート会議でしゃべるってなおさら難しい! さらに参加している感も出しにくい。(そんなもん出してどうすんのかって話ですが)。僕は心の底からコロナの終息を願っています。

リモート会議リモート会議でしゃべるのは難しいし、参加している感も出しにくい

 森喜朗さんは、先の発言に続けて「女性は競争意識が強く、1人が手を挙げて話せば他の人も話そうとするが、続けてみんなが発言することになる」と言っています。

 みんな「コイツつまんねーな」と思われる恐怖に打ち勝ち発言している。僕には競争意識が足りていない。もっと手を上げて「大井がいると会議が長くなる」と言われたい。
 ついでに面白いと思われたい。

 一般社団法人 日本放送作家協会
 放送作家の地位向上を目指し、昭和34年(1959)に創立された文化団体。初代会長は久保田万太郎、初代理事長は内村直也。毎年NHKと共催で新人コンクール「創作テレビドラマ大賞」「創作ラジオドラマ大賞」で未来を担う若手を発掘。作家養成スクール「市川森一・藤本義一記念 東京作家大学」、宮崎県美郷町主催の「西の正倉院 みさと文学賞」、国際会議「アジアドラマカンファレンス」、脚本の保存「日本脚本アーカイズ」などさまざまな事業の運営を担う。