不動産——好利回りの現物、小額でもOKな証券化商品

 次は④不動産投資について見ていきましょう。不動産で資産を運営する場合、現物不動産投資に投資する方法と、不動産投資信託などの証券を利用する方法の2つが考えられます。

現物不動産:5%以上の利回りが目安に

 前者の現物不動産投資には、第18回23回でもご紹介してきたマンションの購入や、自前の土地にアパートを建てて家賃収入を得るなどの方法が当てはまります。

 この場合、目安として5%以上の利回りが見込めるでしょう。実際には色々な要素(借入金、管理料など)を加味して実質的な利回りを計算する必要がありますが、1000万円で購入した不動産が、1年間で50万円の家賃収入をもたらすイメージですね。最低でも、このくらいの儲けがある物件ならば投資しても大丈夫と言えます。
 地方の中古マンションの中には、利回りが7%以上になる物件もあります。中古マンション投資では、物件価格の下落ほど家賃相場が下落していないケースが多いため、その差によって利回りを稼げるのです。

 自前の土地にアパートを建てる場合は投資額が多額になりがちですが、全ての部屋が満室になれば積立金などの管理料がかからないため、10%以上などの高い利回りが望めます。

不動産証券化商品:情報開示があると安心

 どんなに利回りが良くても、現物不動産は多額の資金がなければ手が出せません。そこで誕生したのが、不動産の証券化によって少額での不動産投資を実現した商品です。不動産証券化商品のなかにも2種類があり、1つは不動産投資信託(J-REIT)、もう1つが不動産を小口化した商品です。

 J-REITは投資信託の仲間で、証券取引所に「不動産投資法人」として会社のように上場しています。多数の投資家の投資資金を集めて、利回りの高い物件に投資する仕組み。新型コロナウイルスなどの影響で投資物件によっては収益に大きな差が出ていますが、いずれ持ち直してくるでしょう。

 もう一方の不動産の小口化商品とは、例えば1億円のビルを50万円200口に分けて出資者を募るような方式です。その多くで投資期間が設定されており、期間内の配当をうたっています。あたかも元本が保証されているかのように宣伝するパンフレットなどもあるため、購入の際は慎重に検討しましょう。

 現物不動産、証券化された不動産のどちらの場合も、5%が利回りの目安となります。両者の大きな違いとしては、J-REITは上場しているためディスクロージャー(情報開示)などに安心感があること、複数の物件にバランスよく投資する商品があることなどが挙げられます。
 以前、不動産小口化商品が紙くずになってしまった大損の経験がある私としては、ディスクロージャーだけは絶対に譲れないポイントになってしまいました。

 次回は、ランキングの順番に沿って、⑤株式投資について考えていきます。