現金のリスク~「減らない」って、本当に安心?~【第6回】

「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回は、「国の成長に託す投資」を実現する方法として、「インデックスファンド」について考えていきます。

「国への投資」についての2つの課題

 前稿では、話の後半に

「お金の価値を守るための投資」……企業ではなく、国に投資するという考え方は、いかがですか?

ということを申し上げました。そして、その投資先の選び方として、

 IMFの見通しから、「GDPの伸び」が年2%以上の国や地域を探して選べば良い

 ということも申し上げました。その前稿では、2つの課題を残して締めくくりました。

 課題の1つ目として、実は企業の成長とGDPの伸びは、完全にイコールではありません。課題の2つ目として、そもそも「国への投資」はどのように行うのか、という点です。

 前稿の最後に申し上げた通り、本稿では課題の2つ目から考えてみたいと思います。

 株式は「トヨタ」や「アマゾン」といった企業の名前で上場するもので、決して「日本」や「アメリカ」などの国単位で上場しているわけではありません。

 それでは、どのようにしたら「国への投資」ができるのでしょうか?