はじめまして。初心者向け株式投資の普及を行っている福沢隆雄です。
株式投資に関心を持たれる方はたくさんいらっしゃるのですが、実際に投資に踏み切れない方が大半です。そこで、これから月2回の連載で投資の基本である株式投資の「わからない」を解消し、「こわい」に対応してご説明いたします。株式投資を始めると、預貯金とは全く異なる世界が見えてきます。堅実投資をすることで、自分のお金が働いてくれる新たな景色を垣間見てみませんか。
若葉マークの株式投資 代表
株式投資
世の中では、「株式投資」はギャンブルと受け止められ、毛嫌いされることがよくあります。
物事が誤解されている時などは、基本にもどるのが原則です。株式投資の基本となる「株式会社」の本質は、投資家が株主として企業に資金を提供し、企業はその資金を用いて商品やサービスを世の中に提供することです。投資家は、成長の見込める企業に投資してその成果の果実(配当金の受け取りや企業価値の上昇)を得ることを期待します。
【図表1】株式投資における投資家、株式会社と社会の関係
株式投機
買い付けた株式を売買するための制度があり、上場株式は証券取引所を通じて自由に取引できます。株式の取引にはさまざまな方法がありますが、株式の本質よりも株価の値動きに着目して、短期で買付と売付をして、その値幅をとるのが「株式投機」です。この場合「株価という値札」の動きを注視します。
端的なのが「デイトレーダー」といい、株式を「朝買ってその日のうちに売却する者」のことを言います。
「株式投機」が悪いわけではありませんが、この手法で利益を出し続ける者は限られた少数です。相応に知識・経験などが必要です。
【図表2】デイトレーダーの投機行動の例
(朝に株式を買い、その日のうちに売却する)
ギャンブル
ギャンブル(競馬、パチンコなど)は、参加する者の掛け金を元に、そのお金を偶発的な当たりはずれによって分配します。ギャンブルの本質は娯楽ですが、運が大きな要素を占めています。
儲けるのはごく一部の者で、儲けそこなった多くの者は、賭け金がゼロになります。しかも、そのギャンブルの運営者によりかなりの運営管理費などが差し引かれた残りの額が分配される仕組みです。
【図表3】ギャンブルの仕組みの一例
株式投資は社会の重要なインフラ
このように比較してみると、株式投資とギャンブルは全く異なります。
株式の短期売買をかなり頻繁に続けて失敗する方がいらっしゃいますが、株式投機に伴う取引の管理ができていなかったためです。投機の管理は難しく、特に初心者は、このような取引を避けましょう。
株式制度は銀行制度と並ぶ経済の両輪です。コンビニ、携帯電話、鉄道会社、その他多くの産業は、投資家が企業に資金を提供する株式制度によって成り立っています。株式投資は社会のインフラとして、我々の生活に重要な役割を果たしてくれているのです。
株式投資の本質を理解して、堅実な投資を行いましょう。自分のお金が投資先企業で働いてくれて、その企業の商品やサービスが世の中に役立ち、企業の成長の果実を得ることを実感しましょう。
次回からは、株式投資の本質とは何か、投資する企業はどのように選ぶべきかなど、さまざまな角度から「株式貯蓄」の実現に向けたお話をしていきたいと思います。