前参議院議員の田村耕太郎氏を電話ゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。「未来を生きる世代のために」というテーマで、現在の政治や経済、教育や外交の課題などについて語った。

世界を知ることで育まれる「多角的な視点」と「祖先への感謝」

中山 今回は、参議院議員を2期にわたって務められた田村耕太郎さんにお話を伺います。田村さんは最近ご長女が誕生されたそうですが、今、子どもたちの20年後のために何ができるかが非常に重要だと思います。その視点から現在の永田町の政治を見ていかがですか。

野田佳彦首相は1日、過去1年間で3度目の内閣改造を行ったが・・・(撮影:前田せいめい)

田村 「国民のため」と皆が言います。本当にそう思っている政治家も多いのでしょうが、結果がなかなか伴っていません。それが20年後に大きく影響してくると思いますね。

 今後人口が減少し、経済も弱くなると言われています。人口が減ると防衛に回る人間も少なくなり、経済が弱体化すれば防衛予算も縮小されるでしょう。

 周辺国が日本よりも高い成長を遂げると予測される中、我が国の存在感は薄れつつある。自分だけでなく、子どもたちの世代が今後ますます不安定な状況に置かれることを考えると、真剣にならざるを得ませんね。

中山 6月28日に田村さんの著書『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』が発刊されましたが、どんな気持ちで執筆されたのですか。

田村 産まれたばかりの娘が成人し、世界に出ていく頃の日本を想像して、そこから逆算すると今何ができるのかを考えて書きましたが、世界は広いということ、また世界を見てきた人でなければ今後の日本は変えられないということを皆さんに伝えたいですね。日本を、もっと相対的に見てほしいんです。

 例えば今、ロシア、中国、韓国が領土問題で日本に対して同時に行動を起こしていますが、ロシアの友人に話を聞くと中露は結託しているわけではなく、むしろ非常に仲が悪い。

 日本はそこを分断して上手く交渉すべきだし、そういう多角的な視点を持つ意味でも外に出る経験には大きな意義があります。

 それに、日本を出たらこの国のすごさがもっとよく分かると思うんです。日本にいると「経済も政治も教育もダメ」という話になってしまう。確かに問題も多いですが、海外に目を向ければもっとダメな国はたくさんありますよ。