4日の東京市場は、ユーロが振幅、午後にはS&P報道を受けて売りに押される展開だった。
先週末のムードを受けてユーロは底堅く始まった。朝方の取引でユーロドルは1.4580レベル、ユーロ円は117.74レベルまで高値を伸ばした。先週のギリシャ議会の中期財政計画が賛成多数で採決されたことや週末のユーロ圏財務相らによる電話会議でギリシャへの追加支援第5弾が合意されたこと、第2次支援について今後数週間内に合意すると報じられたことなどが好感された。また、市場全体にもリスク選好ムードが継続している。先週後半に発表されたシカゴPMIやISM製造業景気指数が予想を上回ったことで米景気回復への期待感が広がり、株式が堅調に推移した。豪ドルやNZドルなどリスクに敏感なオセアニア通貨が買われて始まっている。日本のアサヒが豪NZの飲料メーカーやその事業を買収するとの報道もオセアニア両通貨を支えた。豪ドル円は87.20レベル、NZドル円は67.10レベルへと上昇する場面があった。
ただ、リスク選好ムードは長続きしていない。仲値近辺では本邦輸出による円買いの動きでクロス円の上げは一服。明日の豪中銀理事会を控えて発表された5月の豪小売売上高や住宅建設許可件数が予想を大幅に下回ったことで、豪ドルには売り圧力もみられた。豪ドル円は86円台後半へと押し戻されている。午後になると米三連休中とあって取引手控えムードが広がるなかで、米格付け会社S&Pは、債務ロールオーバー計画でギリシャは選択的デフォルトも、との認識を示している。ユーロドルは1.45手前、ユーロ円も117円近辺へと早朝の上げを消す動き。日経平均は約2ヶ月ぶりに一時1万円台を回復したが、ドル円は相変わらずの80円台後半での揉み合い。きょうは米独立記念日のためNY市場は休場となる。次第に取引の流動性が少なくなるので注意したい。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)