持続可能な事業計画の策定、人材への投資、生産性の向上――これからの成長企業の経営者に求められる領域は多岐にわたる。そこで重要となるのは「経営者は何を自ら行い、時には何を人に任せるべきか」という観点だ。レノボ・ジャパンが行った最新の「働き方調査2024」の結果を交えながら、同社のワークスタイル・エバンジェリストを務める元嶋 亮太氏が解説する。

レノボ・ジャパン合同会社 ワークスタイル・エバンジェリスト 兼 製品企画部 マネージャー 元嶋 亮太 氏

競争力強化を左右する一歩目は、従業員の満足な働き方の実現

 社会情勢が目まぐるしく変わる中、中小企業が成長を続けていくためには、競争力強化が欠かせない。一方で人手不足はますます深刻化し、生産性向上、人材の確保に苦戦する企業も多いのではないだろうか。

 従業員一人ひとりが最適な働き方を選べるようにすることは、生産性の向上につながることはもちろん、人材確保に向けた投資にもなり得る。

「調査結果からも、働く場所を一人ひとりが柔軟に選べることが成果につながることがわかっています。そして、柔軟な働き方はすでに一定の定着をみせています」と元嶋氏は言う。

 レノボ・ジャパンが2024年2月に行った調査『ハイブリッドワーク実態調査 2024』では、企業や組織の41.6%がテレワーク制度を導入している。テレワークは新型コロナウイルスの蔓延防止をきっかけに、緊急対応として急速に広まった新しい働き方だ。しかし、感染の拡大が一段落ついた後も、導入した企業や組織の10社に9社はテレワーク制度を引き続き運用し、オフィスとオフィス以外で働くハイブリッドワークを容認していることも同調査で明らかになった。

 また、興味深い結果も得られている。テレワークを行う具体的な場所について調べたところ、「自宅だけ」または「自宅以外だけ」の場合と比べ、自宅と自宅以外を併用している場合が、最も仕事の成果が良くなると考える人が多いことがわかったの。2、3年前までは感染拡大の防止を目的に導入が進んできたテレワーク、そしてハイブリッドワークは、今や生産性、そして企業競争力向上のために推進すべきものとなっている。

 では、生産性を向上させるハイブリッドワークを定着させるため、経営者は何に着目して何をするべきか。元嶋氏は「制度、環境、そして文化です」と3つの要素を挙げる。

そもそも自身がやるべきでない仕事に中小企業の経営者は追われている

 一つ目の「制度」とは文字通り、ハイブリッドワークを前提とした就業規則の改定だ。オフィスへの出社頻度や就業時間帯、決めるべきことは多い。ただ、元嶋氏はいきなりルールを決める前にすべきことがあると強調する。

「ハイブリッドワークは手段に過ぎないので、その手段を通して何を実現したいのか、目的を明確にする必要があります。これは経営トップにしかできない仕事です。目的を明確にしたうえで、その実現のためにはどのような働き方のパターンが考えられるかを整理します。そしてパターンが見いだせたら、それぞれの働き方を実現するうえでのボトルネックを明らかにし、それを取り除くことで、自社に合ったハイブリッドワーク制度を構築することができます」

 また、制度設計にあたっては性善説に立つことが重要だという。

「目が届かないところでは仕事をサボっているのではないか。そう疑心暗鬼になると、監視を強めたくもなります。しかし過度な監視は従業員のモチベーションを著しく下げ、生産性は下がっても上がることはありません。従業員を信頼できないのであれば、ハイブリッドワークは導入しないほうがいいでしょう」

 続いて二つ目の「環境」には、自宅以外のテレワーク拠点の確保や、ハイブリッドワークに不可欠なデジタルデバイスやサービスの選定と導入、保守管理などがある。

 自宅以外のテレワーク拠点の必要性は、前出のアンケート結果からも明らかだ。しかし「どこで働いてもいい」と自由度を高めさえすればいいわけではないという。

「多くの方が経験していると思いますが、オフィスや自宅以外で快適に働ける場所を自分で見つけるのは案外難しいものです。だからこそ会社側が、オフィスや自宅をベースとしながら快適に仕事ができる箇所を複数用意し、そこからその人や働き方に合わせて選べるようにするべきです」

 IT環境についても、どの拠点からも同じようにストレスなく仕事が進められるようにすべきだ。しかし、これがなかなか難しい。日々忙しい経営者が、PCの選定ひとつとっても、自社の業務にどのような性能や機能が必要であるかを判断し、最適なものを選ぶのは非常に困難で手間がかかる。

「そもそも、そうした作業は経営者の仕事ではありませんし、IT部門がある企業ならIT部門任せ、IT部門がなければ従業員の中で最もデジタルに詳しい人にお任せということになりがちです。しかし、IT部門にとっても各事業部門の業務を把握し、最適なデバイスを選ぶのは難しいですし、デジタルに詳しい人においても同様です。デジタルに詳しい人にも、環境構築以外に、本来、すべき仕事があるはずです」

 そこで検討したいのが外部リソースの活用だ。

 レノボ・ジャパンでは本業に集中しながら最適なデジタル環境を整え、維持したい中小企業規模・個人事業主のためのサービス『Lenovo Pro』を用意している。会員になると専任担当者の担当者に電話やチャットで相談ができる。

「登録費は無料、ご相談も無料で受け付けています。現在他社のPCをお使いでも構いません。デジタルに詳しい必要もありません。CADのアプリを使う、スプレッドシートのみ使うといったように、業務内容さえお話しいただければ、適切なデバイスをおすすめします」

 会員登録のメリットはほかにもある。レノボのPCなどを購入する際には会員価格が適用され、割引額は年間購入額に応じてアップする。また、会員コミュニティでは業種や業界を超えた交流ができ、オープンイノベーションのきっかけも得られる。

 そして「制度」「環境」に続く3つ目の要素は「文化」だ。

最小限の負担で効果を最大化する

 せっかくの制度そして環境を無駄にしないためには、リーダーによる積極的な活用とメッセージの発信、定期的な社内調査とそれに基づいたアップデートなどが欠かせない。

「どれだけ『テレワークOK』と言っても、経営トップが毎日出社していては浸透しません。トップが進んでハイブリッドワークを実現しそれを社内に周知するトップダウン、そして、従業員の声を改善に反映するボトムアップを両輪に浸透を図ります。中間管理層などにテレワークへの苦手意識が感じられるような場合には、『テレワークデイ』など、オフィス以外の場所で働くことを義務付ける日を設けることも有効です。ハイブリッドワークによる生産性の向上は、やってみることで実感できます」

 レノボの調査ではこのほかにも、テレワークの導入実態について興味深い結果が得られている。その一つが、従業員数別のデータだ。従業員数3000人以上の企業では、67.2%が制度としてテレワークを導入しており、300人未満の企業の26%と比べて約2.6倍の開きがある。

 また、20代から30代の35%が、転職の際にテレワークができるかどうかを重視するとしている。仮に他社に比べて給与面などが劣っても、柔軟な働き方ができる制度や環境が整っており、文化として定着していれば、それだけで選ばれる企業になりうるのだ。

「柔軟な働き方の推進は、企業の継続的な成長に向けて、今いる人材により多くの成果を出してもらうためだけでなく、優秀な人材を外部から招き入れ、定着させるためにも必要な投資です」

Lenovo Pro』はその投資効率を、最小限の負担で最大化させるためのサービスでもある。

「レノボというと、PCメーカーという印象が強いかもしれません。しかし私たちは、継続的な成長を目指す企業のみなさんに必要な働き方の環境整備における伴走者でありたいと思っています」

 専門性が求められる税務は社外の税理士に依頼するのと同じように、柔軟な働き方の実現にも専門家の知見をフル活用し、経営者は本業に専念する。そんな働き方が企業成長を可能にする。

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