勉強をして偏差値を上げさえすれば合格に近づく。その考えは半分正しいが、半分は“不十分”と言える。なぜなら、大学ごとに出題傾向が異なるため、模試の偏差値だけでは合格を確実にすることはできないからだ。例えば、自分の志望校をどこに定め、本番までにどんな対策をとるかというプランニング。あるいは、試験時間の中で効率よく点数を積み上げるために、問題を解く順序や時間配分を意識した実戦的演習をすること。こういった「戦略」が重要だ。そこでこの記事では、医系専門予備校No.1の実績を持つメディカルラボ 本部教務統括の可児良友先生に、受験戦略の重要性を聞いた。

共通テスト開始で重要性を増す「受験戦略」

 2022年1月に実施された大学入学共通テスト。数学Ⅱ・Bで出題されたある問題が、受験生を苦しめた。それは数列の問題だったが、設問形式が変則的だった。長文で始まり、人物の会話なども挟まれる。数列の問題だと分かるまでに時間のかかる人も多かっただろう。この影響もあってか、数学II ・Bの平均点は前年からマイナス19.72点の43.06点となった。

 メディカルラボで受験指導を行ってきた可児氏は、こういった問題への対策として以下のようなアドバイスをする。「問題文を上から順に読むのではなく、まず設問部分に目を通し,『この問題は何について問うているのか』を確認することが重要です。そうすることで、前述の数列の問題も、早い段階で『数列の漸化式から一般項を考える問題』であることが分かり、効率よく解けるでしょう」

医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括 可児良友先生

 昨年から始まった共通テストは、「センター試験に比べて扱う情報量が増えており、英語や数学の問題冊子の厚みはセンター試験の1.5~2倍になっています」とのこと。そのため、時間を有効に使い、戦略的に問題を解く重要性が増しているという。受験では他にも大切な戦略がある。自分の適性や得意分野に合わせて合格可能性の高い志望校を選び、適切な受験対策をとることだ。

「同じ学部、同じ合格水準でも、大学ごとに試験の出題傾向は異なります。例えば佐賀大学医学部と和歌山県立医科大学は偏差値レベルが同水準ですが、2次試験の合格に必要な最低得点率は、佐賀大学が約80%、和歌山県立医科大学が約40%と大きく異なります」

 和歌山県立医科大学の場合、全体的に問題量が多めで、大問の難度もやや高めの傾向。英語の長文問題を見ても、「哲学書の文献の引用など、日本語に訳しても読解が難しい文章が出題される」と可児氏は話す。
 だとすると、志望校を選ぶ際は偏差値だけでなく、「2次試験でどれくらいの難度の問題が出る大学を選ぶか」も重要になる。そして、その大学の出題傾向に合わせて受験勉強を行わないと無駄が多くなるという。

 つまり、受験勉強やそのプランニングは、1人ひとりに合わせて個別に最適化するのがベスト。こうしたことから、メディカルラボではマンツーマン授業を大きな特徴としてきた。そして、志望校の出題傾向や生徒の学力に合わせた個別カリキュラムを提供している。 

 その成果として、医系専門予備校No. 1の合格者数(2022年度1489名。うち医学部医学科1270名)を輩出。河合塾グループの1つだが、グループ全体の医学部医学科合格者が4400名ほどであるから、4分の1以上をメディカルラボが占めている計算だ。もちろん、ここで実践されている受験戦略は、医学部に限ったものではない。「すべての受験生に共通するものです」と可児氏は話す。

受験生が知っておきたい「英数先行」の考え方

 メディカルラボの受験戦略は3つの視点から語ることができる。「勉強方法」、個人の適性に合わせた「志望校の絞り込み+対策」、テストでの「解答テクニック」だ。まずは勉強方法について。重要なのが「英数先行」という考え方だ。「受験勉強では英語・数学の学力を先に伸ばし、理科・社会を後半に仕上げるように指導しています。なぜなら英語・数学はやるべきことが多く、単語や数式を覚えるフェーズ、それを活用して演習を行うフェーズにまたがるためです。一方、理科・社会は暗記で対応すべき部分が多く、早いうちに覚えたとしても、受験本番までに忘れてしまうリスクも。英語や数学は一度つけた学力を維持しやすい傾向にあると言えます」

 勉強を進める上で、各教科に対する生徒自身の理解度分析も大切になる。例えば英語の長文問題が苦手な場合、それを克服しようと長い文章を積極的に読む受験生は多い。しかし、これでは結果が出ない恐れがある。
「長文が苦手な原因を深掘りすると、その手前の文法がきちんと理解できていないケースも多いのです。この場合は、文法の基礎固めに取り組むことで、英文解釈ができるようになり、ひいては長文読解力も伸びていきます」

 弱点の原因は、受験生本人のイメージと別のところにあることも珍しくない。客観的に弱点を評価するため、メディカルラボでは、入校時に全教科全範囲のテストを実施。生徒1人ひとりの基礎力や弱点、つまずきの原因を踏まえて、受験本番までの学習プランを立てる。こういった個別に最適化したカリキュラムは、集団授業ではほぼ不可能に近い。メディカルラボが完全マンツーマン授業を行う理由はそこにあるという。

最適な志望校の見つけ方。「E判定」でも諦めてはいけない

 合格へ向けた戦略として、「志望校の絞り込み+対策」も重要だ。同じ学部でも、大学によって出題傾向が異なるのは先述の通り。だとすると、自分の学力特性に合った問題が出る大学を受けた方が合格に近づける。そこで自分の特性を分析し、志望校を絞り込むことが必要だ。

 では自分の特性に合った志望校をどうやって見つけるのか。メディカルラボでは、まず生徒の学力特性を5項目(基礎力・応用力、スピード、得意科目、出題形式別対応力、分野別対応力)に分類して評価する。一方、各大学の出題傾向も同様に5項目(難度、問題量、配点比率、出題形式、頻出分野)に分類して評価。そうして、生徒の学力特性と大学の出題傾向の相性を見ていく。

「仮に数学が得意で難度の高い問題も解ける(=応用力が高い)生徒なら、数学の配点比率が高く、難度の高い問題によって数学でライバルと差をつけやすい大学を狙うと有利になります。また、解答スピードの速い生徒なら、問題量が多い大学がいいでしょう」

 メディカルラボでは、テストや日々の授業から生徒の特性を細かく洗い出し、保有する各大学のデータと照合。マッチする大学をピックアップしていくという。
 過去にはこんな例があった。メディカルラボに通ったある生徒は、神戸大学医学部を受験して合格。ただし、直前の模試の結果は「E判定」だった。普通に見れば合格可能性は低い。それでも受験を決め、さらに合格できたのは、まさに出題傾向とその生徒の学力特性との相性が良かったからだ。「彼は数学が苦手でしたが、神戸大学医学部の数学は、大学の偏差値レベルに対し比較的易しい問題が出題されるので、有利に働くと考えられます。メディカルラボのマッチング分析によってそう判断できたからこそ、受験を決めたのです」

 志望校を決めたら、その大学の出題傾向に合わせて対策を取るのも大切。メディカルラボでは「重点校対策」という形で受験前の冬期から本番まで、過去問をもとに徹底的に対策する。また、「合格可能性を上げるための戦略として、私たちが大事にしているのが合計点主義です」と可児氏は話す。

 
「偏差値を上げようとすると、得てして点数の低い苦手科目を強化することに目が行きがちですが、それがベストとは言い切れません。限られた時間だからこそ、苦手な科目を10点引き上げる方が早いか、得意な科目をさらに10点伸ばす方が早いか、合計点で考えるのが大切です」

 例えば英語の長文読解で点数を伸ばそうとしても、単語・文法の理解の上に成り立つので、短期で強化するのは簡単ではない。それよりも、化学の基礎部分で不完全なところがあれば、知識を入れるだけで点数が上がるので、そこに手をつけた方が短期間で点数が伸びやすい。本番前の追い込みでは、こういった判断が必要になるのだ。

テストの解答テクニックで、試験結果は大きく変わる

 最後にテストでの「解答テクニック」に関する戦略にも触れたい。可児氏は「試験の時間配分、解答順序、捨てる問題(捨て問)の見極めが大切です」とアドバイスする。

「多くの大学は2次試験で6~7割の点数を取れば合格ラインです。また、全ての問題が難問という訳ではなく、全体の6~7割程度は標準レベルの問題です。つまり、合格点を考慮すると、2~3割は点数が取りにくい問題なので、過度に時間を割くのは非効率。例えば大問4問で構成される試験問題があったとします。2問目の難度が非常に高い場合、大問の順に解くと、この2問目に多くの時間を費やしてしまう。その後の3、4問目に点を取りやすい問題があったかもしれないのに、時間が足りなくなってしまい、思うように点数が取れない結果に終わります」

 だからこそ、まず問題全体を見渡して、得意な問題、点数の稼げそうな問題から解くことが重要。こういった判断力を養うため、メディカルラボでは、志望校の過去問演習時にチェックリストを用意。時間配分、解答順序、捨て問の見極めがそれぞれうまくいったかを自己評価する。「演習を通してPDCAを回し、効率よく点数を取る力を身につける必要があるのです」

 これらが受験の戦略であり、その重要性が増していることは冒頭でも触れた。メディカルラボでも最新の動向を踏まえながら、マンツーマンで指導している。ただし、何から何まで手取り足取り教えるわけではない。可児氏は「目標を定め、合格に向けて勉強方法やプランを考える。その一連の流れを生徒自身が自分で出来るようになることが重要」と話す。

「戦略の意味を理解し、自分で出来るようにならないと点数も伸びません。何より、ここで身につけたことは大学入学後、ひいては社会に出てからも役立ちます。特にメディカルラボの場合、医療現場で仕事をするわけですから、自分で戦略を立てて実行する力が必ず活きるはずです」

 受験に必要なのは勉強だけではない。目標を達成するための戦略が、成功のカギを握っているのだ。

メディカルラボへのお問い合わせ・資料請求はこちら 
<PR>
メディカルラボは「100%個別指導」をうたい、
生徒一人ひとりに対して、徹底した個別対応を
行っています。
生徒それぞれの学力や進度、志望校に応じて完
全個別授業のカリキュラムを作成し、プロの講
師がマンツーマンで指導します。
生徒の学力特性と各大学医学部の出題傾向を見
極め、一人ひとりに適切な対策を講じて医学部
合格へと導きます。
完全個別指導だからこその柔軟できめ細やかな
サポート体制が、医系専門予備校合格実績No.1※
の理由です。