リモートワークの普及は、「出社しなくてもできる仕事は、家で行う」という新しい常識を誕生させた。その環境を整備できれば、リモートワークに慣れた従業員満足度の向上につながる。シスコシステムズのクラウド電話『Webex Calling』は、多くの組織で“電話のために出社しなければならない”という課題を解決してきた。どのような特徴を持つサービスなのか、同社の執行役員でコラボレーション アーキテクチャ事業担当の菊池 政広氏に聞いた。
働き方は新しい局面を迎え、それに伴い新たな課題も浮き彫りに。
新型コロナウイルスの世界的流行が始まってから2年以上が過ぎ、模索され続けてきた働き方が、新しい局面を迎えている。コロナ以前のように全員がオフィスに出社する働き方と、緊急事態宣言下のようにできるだけ全員がリモートワークをする働き方とが、混在するようになっているのだ。
ただし、多くのオフィスは出社とリモートが混在するハイブリッドワークに最適な環境になっていない。オンライン会議に適した会議室の不足や、ハイブリッドワークに適したネットワーク環境が未整備といった課題が顕在化しているのだ。
「リモートで生産性があがる仕事もあれば、出社をしたほうが効率的に進む仕事もあります。経営者の方々からは、場所に囚われず自分の最大のパフォーマンスを出すハイブリッドワークを実現できるようにファシリティ面の整備をしたいという声をよく伺っています」と菊池氏は説明する。
一方で、従業員の視点に立つと、出社せずにできる仕事はリモートワークで済ませたいというニーズが明らかに多くなっている。
「だからこそ、リモート環境でも仕事がしやすい環境を整えることが、従業員満足度の向上につながり、ひいては、優秀な人材の確保にもつながります」
ハイブリッドワークに適した環境を構築する上で、ネックになっていた存在がある。電話だ。コミュニケーション手段として定着して久しい電話は、スマートフォンを含む携帯電話の普及により、いつでもどこでも使えるツールになっている。しかし、仕事で利用する場合にはいくつかの課題があった。
「東京なら03、大阪なら06で始まる会社の大代表の電話番号は、その会社の財産です。ところが、携帯電話ではその財産というべき番号での、十分な電話対応ができません」
これは会社のブランドを毀損しかねない事態で、電話応対のためだけ出社を余儀なくされるケースもあるほどだ。転送を設定すれば、携帯電話でも受電はできるが、発信の際は携帯電話の番号からの発信となる。さらに、その携帯電話は個人の持ち物である場合も多い。
「個人の電話番号を告知して電話を掛けることに抵抗のある方もいらっしゃいますし、会社の固定電話にかけたはずの案件について、090や080、070で始まる見ず知らずの番号から折り返しがあることを不信に思われる方もいらっしゃいます」
こうした課題を解決するのが、シスコシステムズのクラウド電話『Webex Calling』だ。
セキュリティ重視の官庁や金融機関でも導入が拡大
Webex Callingなら、いつでもどこでも、パソコンやスマートフォン、多彩なWebex Calling対応端末、Webex Devicesを利用して、大代表など会社の固定電話番号を使った通話ができる。社員に社用端末を配布しなくても、BYOD(Bring Your Own Devices)という言葉の通り、私物のスマートフォンなどにアプリを入れるだけで使い始められる。
クラウドなので、大規模な投資が必要なく、1ユーザーから利用できる手軽さ、メンテナンスの手間やコストを大幅に削減できる点も魅力だ。それでいて、携帯電話会社による携帯電話の社用電話化サービスであるFMCと同様に、内線通話なども利用できる。転送、保留、自動音声応答も可能で、ビデオ通話にも対応する。
こうした機能の多さと柔軟性の高さから、組織の規模や業種・業態を問わず、既に多くの組織でWebex Callingの導入が進んでいる。
ある公共のお客様では、以前のように登庁できなくなった職員が、自宅に居ながらにして議会の答弁作成の支援をするのに活用されている。スモールスタートだったが、その便利さが高く評価され、瞬く間にユーザーが増えたという。
金融機関でも利用が増えている。北國銀行などを擁する北國フィナンシャルホールディングスでは、業務用スマートフォンの配布を止め、行員らは個人のスマートフォンを業務にも利用できるようにした。これにより、使い慣れた端末の利用による業務の効率化と、端末の集約化による電力使用量の削減が実現した。業務用の通話にはWebex Callingを、私用の通話には一般電話回線などを利用するといった使い分けによるセキュリティも確保している。
セキュリティの高さはWebex Callingの特徴のひとつだ。
「クラウド化というと、セキュリティ面で不安を覚える方もいらっしゃいますが、金融情報システムセンター(FISC)が定める安全対策基準に準拠するなど、万全の対策を講じています」
豊富な機能、高いセキュリティに加え、Webex Callingにはもうひとつ、抜きん出た性能がある。通話の品質だ。
「非常に地味ではあるのですが、電話をストレスなく使う上で必須である音声品質、特にリアルタイム性には自信を持っています。シスコが20年以上に渡り、携帯電話が普及する前から様々な機器の開発を通じて向上に取り組んできた結果でもあります。音声通話はリアルタイムのやり取りになるため、インターネットで使われている通信方式とは相性が良くないと言われてきました。その点も、遅延が起こってもそれをカバーする仕組みを整えています。おかげさまで、“シスコは音がいいね”と高い評価をいただいています」
最新のAIによるノイズ除去機能も好評だという。いつでもどこでも電話応対ができると言っても、通話にインターフォンの音などの生活音が紛れ込むことは避けたいもの。Webex Callingであればそうした不安とは無縁だ。その実力は、シスコの最新のテクノロジーを体験できる「Cisco Experience Center Tokyo」などで実体験できる。
優秀な人材の確保に欠かせない自由な仕事環境の構築
Webex Callingによる働く環境の整備は、ハイブリッドワークを無理なく実現するだけでなく、その先でも大きな効果が期待できる。
まず、優秀な人材の獲得とエンゲージメントの構築だ。先日、大手IT企業がリモートワークを廃止し以前のように出社を義務づけたことで、著名なエンジニアが退社したというニュースが話題になっていた。働き方の自由度が、勤務先を決める上で重要な要素になってきているのだ。
2022年2月にNTT東日本が高校生・大学生を対象に行った、未来の働き方に関する調査でも、働きたい会社として『安定』や『アットホーム』よりも『自由』を挙げる声が多かった。
※「10年後、テレワークはどうなる!?『未来の働き方』学生約600人に徹底調査!」より https://business.ntteast.co.jp/content/telework_start/work_style_survey/
「給与や知名度よりも、しがらみのない環境を優先して就職先を選ぶと若い人が増えています。そうした事実から目を背け、無理にコロナ前の働き方に戻ろうとすることは、優秀な人材の流出、採用市場での苦戦といった負のスパイラルを生み出しかねません」
しかし、環境を整えれば、その負のスパイラルを正へと変えることもできる。
「たとえばミーティングなどは、オンラインで行うことで、最新の情報を広く共有できる、英語から日本語など109言語に対応しているリアルタイム翻訳、録画を見てプレゼンテーションの振り返りができるといったメリットがあります。すると、一人ひとりの成長スピードが上がり、それが企業の競争力の強化にもつながります。また、最近成立した、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資するために、障がい者による情報の取得、利用並びに意思疎通に係る施策に関し、基本理念、国・地方公共団体等の責務、当該施策の基本となる事項を定めた『障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法』にも対応できる、リアルタイムの日本語の文字起こしや、手話サービスを組み込んでユーザーエクスペリエンスに優れた画面を作るためのカスタムレイアウトなどを提供しています」
働く環境を新しい時代が求めるものへと変えていくことは、目の前の業務を進めやすくするだけでなく、優秀な人材の確保と育成という、企業の持続的な成長に欠かせない動力を整えることでもある。シスコシステムズは今後もWebex Callingの提供を通して、意欲的な企業を支援していく。▼Webex Callingのお問い合わせはこちら
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