嘉悦大学(学長 井上行忠)は「世の中の面白いを学問する、嘉悦大学」をコンセプトに、学生が新しい経営のあり方を考え、主体的・実践的に課題を解決することを目指してきた。
2019年度からは、データ駆動形社会においてAI技術を経営・経済分野で活用できる人材を育成するために「嘉悦大学ICT・データサイエンスプログラム」をスタート。2021年度には、内閣府・文部科学省・経済産業省が創設した「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」として認定された。
同プログラムは、前提知識や学部を問わず、履修を希望するすべての学生が基礎的な知識・技術を修得できるよう、学生に寄り添った工夫がなされている。
嘉悦大学の伝統「実学教育」を継承した実践的なプログラム
「嘉悦大学ICT・データサイエンスプログラム」は、これまで行ってきた情報教育、社会人基礎力の教育を含めた初年次教育を拡張させ、データ駆動形社会においてAI技術をビジネス分野で活用できる人材を育成するために開設された。
特に、経営・経済分野で求められる心得や背景知識を理解し、データ分析をする際の基礎的な技術を実践と共に習得することを目的としている。
同大学はこれまでも産官学連携によって、多くの経営者・企業人を実務家講師として招いてきた。事例から学ぶ授業・研究会が充実していることから、現場から得た学びをもとにした研究・教育の推進を可能としている。
本プログラムにおいてもこの実学思想が反映されており、数理・データサイエンス・AIの知識やスキルを経営・経済領域の実践の場や地域社会で活かすことができる機会が設けられている。
例えば、本プログラムの科目のひとつである「ICT4」では、本大学がある小平市等のデータを集め、課題の視点を持った上でフィールドワークを行い、定性・定量データを集め、地域と連携した問題発見・問題解決を行っていくことを課題としている。
また「基礎ゼミナール2」では、顧客データ・会計データを分析し、実際のビジネスにどう活かしていくかを考え、学園祭でビジネスプランの発表や研究発表、経営実践を行う。
実社会で地域と連携した課題、経営・経済領域と連携した課題に取り組み、データ分析やAIサービスを試すことができるプログラム内容といえるだろう。
少人数教育など、前提知識や学問を問わない充実の学修支援環境
本プログラムは、全学生が選択必須として履修を行う。学生ごとに前提知識・PCスキルの差がある中でも、学ぶ楽しさを感じる前に抵抗感を抱かないよう、1年次に履修する授業は学生間のスキルの平滑化を目的とした科目群となっている。
さらに、全学生が知識・技術を習得できるよう、学生の学修支援をするための3つの取り組みがなされている。
一つ目は、オンラインツールの積極的な活用。
Zoomアカウントを全学生へ付与、「学ナビ」というLMS(Learning Management System)、Google Classroom、Google Driveなどを利用し、授業内外の課題提出やフィードバック、質問の受付などに積極的に活用されている。授業資料やZoom等でオンライン授業を実施した場合の動画などもアップロードされているため、過去の授業の復習や振り返りが容易にできるようになっている。
二つ目は、SA(Student Assistant)によるサポート。
本プログラムの構成科目の多くでは1クラスに2名程度のSAが配置され、授業内での 学生に対する個別指導を中心として、学生のサポートを行っている。パソコン操作や課題の解き方などに行き詰まっている学生がいた場合、SAが個別に対応してくれるそうだ。
三つ目は、オフィスアワーの設定。
予め設定された時間帯に専任の教員が研究室等で待機し、質問や相談を受けやすくするための制度。研究室での対応はもちろん、Zoomなどを活用して、学生が質問をしやすい体制を整備している。
学生や産業界からのフィードバックをもとに、カリキュラム水準の向上を目指す
嘉悦大学のICT・データサイエンスプログラムは、あらゆる立場からのフィードバックをもとに、より良いデータサイエンス教育を目指して随時改善を続けているという。
まず、「内部質保証推進委員会」の下部組織として「外部評価委員会」を設置。
「外部評価委員会」では、学外の大学関係者だけではなく、産業界からも委員を任命して外部評価を行なっているそうだ。本プログラムの教育内容や学修成果に関しても、外部評価の評価対象に加え、産業界の意見を踏まえてプログラムの改善を行うことを予定している。
また、学生から教員へ授業改善の提案をすることによって、授業のわかりやすさの向上を目指している。
先述した授業のサポートに入っている学生(SA)が、学生目線から見て授業の問題点・改善点があれば、教員とSAが共同運営しているメーリングリストを通じて情報を共有する仕組みとなっている。学生に近い立場にあるSAが授業中に学生から受けた質問等をもとに授業の改善の提案を行うことで、授業内容や進め方の改善に貢献している。
先ほど本プログラムの特徴のひとつとして「少人数教育」を挙げたが、少人数教育を大切にしているからこそ、教員同士の連携も重要となってくる。
同一科目名称で開講されるコマ数が多いため、当然だが同じ授業を担当する教員が複数存在する。そのため、プログラムの内容・水準を維持するためには、同一科目の授業担当者間で情報共有を徹底し、問題点を共同で解決する仕組みが大切といえる。
本プログラムの担当教員は科目別のメーリングリストやSlack等のオンラインシステムを活用し、問題点とその解決策の共有、授業改善のためのアイデアの共有、授業改善の提案の共有を随時行っているそうだ。
学生の授業内容の理解度に関しては、学生アンケートを活用。
嘉悦大学では、全科目に関して授業評価アンケートを実施している。本プログラムの授業評価アンケートの結果をFD・IR推進室が中心となって分析することにより、学生の理解度を把握し、問題がある場合には、内部質保証推進委員会が中心となって改善提案を策定しているそうだ。
分析結果はプログラム実施教員、改善組織である教育研究協議会に共有され、学生がより学修しやすい環境や支援を行うことができるようになっている。
以上のように、嘉悦大学のICT・データサイエンスプログラムは、学生個々の理解度に合わせて寄り添える徹底した学修支援体制と、同大学の伝統である「実学教育」を継承した実践的なプログラム、そして同プログラムを随時改善・進化させている点が大きな特徴と言えるだろう。
データ駆動型社会において、企業も人も育つために必要なものを「実学教育」を通して学ぶことができるプログラムとなっている。
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