専門家・ビル管理者・コンサルティング企業との連携が必要

 では、具体的に総務視点でのオフィス環境・空調・換気の重要性とは何なのか?

 金氏がそのキーワードの1つとして挙げるのは「換気コントロール」だ。コロナ禍で「3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避ける」という行動様式が広く認知されるようになったが、それはオフィス空間も同様だ。特に換気の悪い密閉空間を避けるため、一定の換気量を確保する取り組みがオフィス空間では不可欠となる。

 特に換気コントロールに役立つのが、換気設備の導入だ。例えば、計画的に給気口から外気を取り入れ、空気の流れをコントロール。それに伴い、給気口にフィルターを搭載することで室内に入り込もうとする汚染物質を大幅に減少させられる。給気・排気、そして居室内の空気循環をコントロールすれば、近年話題のPM2.5や花粉などの大気汚染物質の侵入も抑制できる。

 「住居・オフィス空間での換気は、換気扇による『機械換気』と窓の開放による『自然換気』に大別され、換気方法にも第1種換気(機械給気+機械排気)、第2種換気(機械給気+自然排気)、第3種換気(自然給気+機械排気)などの組み合わせがあります。しかしこうした知見は元来建築設備の領域であり、総務部門にとっては専門外。建築設備の専門家やPM側(ビル管理者)と十分意思疎通を取った上、メーカーやコンサルティング企業と進めていく必要があります」

空気質コントロールを実現するテクノロジー

 室内の空気質コントロールが、オフィスのクオリティの大きな要因であることに加え、新型コロナウイルス感染症対策にも気を配る必要がある今、オフィスの空気質マネジメントを可能にするソリューション提供を目指しているパナソニック ライフソリューションズ社は次のようなソリューションを用意している。

空間除菌脱臭機「ジアイーノ」による空間プランニング
空間除菌脱臭機「ジアイーノ」は、空気中の浮遊菌やウイルスを吸引し、本体内の次亜塩素酸で活動を抑制、さらに本体内から放出した次亜塩素酸で室内に付着した菌・ウイルスも抑制する。これに加えて換気設計のナレッジを組み合わせ、オフィス空間に放出される次亜塩素酸の濃度をシミュレーションする空間プランニングをオフィス向けに提供している。

●画像センサによる空調制御
画像センサ技術を用い、混雑度・密集度とともにCO2濃度が高くなるエリアを把握。オフィス空調機を制御するテクノロジー。本来オフィスビル内の照明制御などで数々の実績があり、空調・照明両方の省エネ効果も期待できる。

次世代健康イオン「ナノイー」による空気清浄機能
花粉、アレルギー物質、におい、カビ、菌・ウイルス、PM2.5、そして美肌・美髪など7つの効果がある「ナノイーX/ナノイー」を搭載した空気清浄機をオフィス空間にも活用。オフィスで使える製品ラインナップとしては、天井埋込形ナノイー発生機「エアイー」天井埋込形空気清浄機「エアシー」ナノイー搭載のLED小型シーリングライトなどがある。

 これら物理的安心感を享受する空気質ソリューションの他、同社はセンサ技術を活用して換気の状態を可視化するソリューション、さらには気流(風)と光・音・映像などを組み合わせたソリューションなども提供している。

 金氏はこうしたテクノロジー活用について、次のように所感を述べた。

 「換気コントロールには環境負荷やコストの問題も付きまといますが、何よりも“ワーカーファースト”の取り組みが肝心です。その解決の糸口となるのが、こうした数々のテクノロジーです。特に見える化のテクノロジーは、今まさに進化の著しい分野です。FMの世界では『測れないと管理できない』と言われますが、社員の位置情報、スペースの利用度チェック、コミュニケーション度の確認、場所による空気の状況などを“測る”ことのできるテクノロジーは、ますますニーズが高まっていくでしょう。テクノロジーを実装した“イケてる”ビルは、ビルの価値向上にもつながっていくはずです。ビル管理者には是非検討していただきたいです」

 ニューノーマル時代のワークプレイス創造に向け「『働く』を実験する」をテーマにしたライブオフィス「worXlab」(ワークスラボ)を、パナソニック東京汐留ビル開設しました。「worXlab」は、オフィスワーカーがいきいきと健やかに働けるウエルネス環境を提供し続けることで企業の持続的発展に貢献する、人起点の空間価値創出を目指しています。

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