大学のゼミ生たちとタイ旅行へ。プラペートラチャ王時代(1688~1703年)に建立されたといわれる、バンコク最古の寺院「ワットポー」にて(筆者撮影、以下同)

 テレビ、新聞、ネットなどさまざまなメディアがよく「若者の○○離れ」を取り上げている。こうした話題は年配の方と若者の双方に物議を醸すことが多いのでウケるのだろう。

 私はこういう話を聞くと、ついナナメに考えてしまう癖がある。例えば、本当に若者が「○○」から離れているのだろうか。実は、テレビにしろ、お酒にしろ、むしろそれらの方が若者から離れてしまっているということはないか。

 また、「離れる」という言葉は相対的で曖昧な言葉だ。いつの時代も若者はブームに飛びついたり離れたり(あるいはまた戻ったり)するのが普通だ。長期的に考えれば、必ずしも「離れた」とは呼べないことも多くある。

観光地巡りより「ゆっくりと時間を過ごしたい」

 さて、よく言われる「若者の○○離れ」の1つに「若者の旅行離れ」がある(実際にはそうでもないという意見もある)。真偽についての分析はここではしないが、最近、大学(東北芸術工科大学)のゼミ生ら6人とゼミ旅行でタイのバンコクを訪れた。夏休み期間中ということもあり参加は任意だったが、意外にも全員が参加を希望した。