日本型経営から脱却し世界へ企業の変革を総力でサポート

 縮小する国内市場を背景に、さらなる国際化が望まれる日本企業だが、対応はまだまだだ。

KPMG FAS 代表取締役社長
知野 雅彦 氏

KPMG FAS代表取締役社長の知野雅彦氏は「グローバル化とは、誰に対してもわかりやすく透明化されているということ。日本型経営にはたくさんの長所がありますが、身内にしか通じない理屈や、感覚に頼った日本企業の経営システムは変革しなければなりません。高度成長期の成功体験や文化の問題も絡んでおり容易ではありませんが、いまやらなければ手遅れになります」と危機感を募らせる。

KPMGコンサルティング代表取締役社長の森俊哉氏も「急速に変化する事業環境に、これまでの歴史のなかで日本企業が築き上げてきた事業内容がかみ合わなくなり、会社の収益力や事業の社会的意義の低下が起きています」と変革の必要性を強調。こうした状況に「KPMGとして、ワンストップで企業を支援する体制を提供したい」と話す。
 

専門家の協働で柔軟なサービスKPMGコンサルティング

 昨年発足したKPMGコンサルティングは、日本企業の変革を促すビジネストランスフォーメーションをはじめ、リスク&コンプライアンス、テクノロジーの三つのサービス領域で、新規事業開発や顧客サービス改革の支援から、変革に伴うリスク管理、情報システム再構築、サイバーセキュリティまで、広範な領域をカバーする。

その特徴は、三つのサービス領域を、業界別に横断的にまとめるマトリクス状の組織だ。金融、保険、製造、自動車、製薬、情報通信、エネルギー、インフラなど、業界特有の知見に通じた各インダストリーの専門家が、各サービスラインの専門家を有機的につなぐことで、業界・企業の特性に応じた柔軟なサービス提供をすることができる。

こうした組織の特徴から森氏は、「横断的な連携には、自分の専門以外の幅広い知見が欠かせません。当社は、コンサルタントの資質として、自らの専門性を伸ばせる能力とともに、自他を有機的に結びつけるオープンなマインドを持つ人材を求めています」と話す。

また、設立間もない同社は、若手にも提案を求め、よいアイデアは積極的に取り上げる風通しのよい組織づくりを図っている。人材養成の面では、世界155カ国に広がるKPMGの海外拠点への出向など、実践的なグローバル経験を積む機会にも恵まれている。森氏は「事業変革とテクノロジー、リスクとコンプライアンスという攻守両面の経営課題に関わる経験値を得られることも、コンサルタントのキャリアにとって大きな魅力でしょう」とアピールする。