ハワイに暮らし、年に10回ほど日本を訪れる“無国籍自由人”、それがコバヤシコンサルティングファーム代表の小林護氏だ。ただ、コンサルティングと言っても、企業を対象にした経営コンサルティングではなく、個人のライフプランニングの支援を行っている。そのプランニングの源泉となっているのは、小林氏が自ら切り開いてきたハワイでの悠々自適なプチリタイア生活に至るまでの道だ。ハワイに暮らしの拠点を設けること、そしてそのための資金を得ることは、思っているほど難しくないと小林氏は語る。
小林 護 氏
もともと小林氏は、東京生まれの東京育ち。高校を卒業後、自ら貯めた資金を元にアメリカへ渡り、現地の大学に通った。その在学中には米国陸軍の予備兵にもなっているというかなりユニークな経歴の持ち主だ。帰国後は三井不動産販売勤務を経てハワイにあるベンチャーに転じ、その後、起業。ハワイに暮らし、現地での事業は21年目になるという。その間、弁護士などを使わずにグリーンカード(米国永住権)を取得したり、「全米ビジネスマンオブザイヤー」などを受賞したりという経験もある。その小林氏は、中高年の日本人こそアメリカにも暮らしの拠点を設けるべきだという。
経験豊富な日本人ほどアメリカにも軸足を
「その理由はふたつあります。まず、日本人は保守的というのは江戸時代以降の現象であり、それ以前を振り返れば分かるように、実はアグレッシブな国民性を持っています。新しい物を取り入れて自分の物にする能力は、ほかの国の人に負けていません。ですから、新しい環境でも臆することなく暮らせます。さらに、たとえば40代、50代となると日本社会に通じています。だからこそ理解できる海外の良さがあり、そうやって海外の良さがわかれば、日本への理解もますます深まります。ひとつの社会しか知らないと、両方の社会の良いところを見いだし、楽しむことはできません」
ではなぜ海外の中でもアメリカ、とりわけハワイなのか。その理由は、小林氏がハワイの専門家であるからでもあるが、根拠はもうひとつあるという。
「アメリカは今後何年も、世界一の国であり続けることは明白です。であれば、その仕組みの中に“も”、そしてまだまだ経済的にも強い日本に“も”生活の拠点を設けることは、メリットこそあれ、デメリットはありません」
“も”――。この助詞からもわかるように、小林氏はハワイへの完全移住は進めていない。日本とハワイを好きなときに自由に行き来するライフスタイルを提案しているのだ。小林自身も、年に10回ほどビジネスクラスで日本を訪れ、一回あたり1週間程度、ホテルに滞在をしている。すでにハワイ暮らしは20年以上になるが、移住ではなくプチ移住を実践していると自称する。
「決して、日本を捨てようというわけではありません」
お金のために時間を使う、という考えを捨てる
ただ、ハワイにも拠点を設けるとなると、気になるのはそれにかかるコストだ。アメリカの中でもハワイは特に生活コストが高い。どうしたらハワイで定職が得られるか見当もつかないという人も少なくないだろう。
「そこで必要になるのが、発想の転換です。『ハワイでの生活に必要な資金をストックする』と考えるのではなく、フロー、つまり常時キャッシュを得られる仕組みをつくるのです」
その方法はというと、小林氏も実践しているアメリカ本土での不動産投資だ。
現在小林氏は、アメリカ本土に50以上の住宅を所有しており、そこから賃貸収入を得ている。なぜ日本でもハワイでもなくアメリカ本土なのかというと、取得コストが低く、家賃が保証されている物件を手に入れやすいからだという。
「一戸あたり500万円ほどで取得できますし、その中には、州政府が家賃を支払う物件もあります。こういう物件を所有すれば不払いのリスクを最低限にまで減らした上で、月額にして5万~6万円の収入を得られます」
まだまだ日本では知られていない、投資に適したそういった物件を探し所有するまでにはそれなりの手間といくつかの手続きが必要だが、そこはコバヤシコンサルティングファームが得意とするところ。日本から一歩も出ないまま、該当する物件のオーナーになることも可能だという。
「年に1戸、あるいは2年に1戸でも取得していくことで、日本とハワイを行き来するのに必要なキャッシュを定期的に手にすることができます。これなら、肩に力を入れることなく、趣味を楽しむようにして、時間とお金を得られるはずです」
日本とハワイ、現役と引退の“いいとこどり”を体現
小林氏はこの状態を「セミリタイア」と呼ぶ。拠点をハワイにも日本にも限定せず、仕事についてもそれに没頭するわけでもなく完全に手放すわけでもなく、ほどよいバランスを保つのが“無国籍自由人”たるゆえんである。
さらには、滞在ビザやグリーンカードの取得についても、小林氏は経験に基づいたサポートを事業としている。
小林氏は、何が幸せかは人によって異なると前置きした上で「はたして、会社の中で出世することだけが幸せなのでしょうか」と疑問を呈する。
「会社という山を登り続けて、その先にある物は何でしょうか。偉くなって忙しくなったとしても、それは自由に過ごす時間と引き替えに手に入れたものではないでしょうか。それに、会社という山は、自分がオーナーでもない限り、登り切ったら必ず降りなくてはなりません。しかし、会社を退職した後も、人生は続くのです」
そして、どんな人でも幸せになるためにはお金と時間の両方が必要だという。
「なので、お金を稼ごうと時間を費やすこと、時間を確保するためにお金を使うのではなく、時間を使わずにお金を得なくては、幸せにはなれません」
「そんな夢物語、とうてい無理なのでは」と思い込まず自分自身でその方法を確立してきた小林氏は、現在、ユニークな事業の立ち上げを模索中でもある。
事業にアイドルを活用するという発想
それは、アイドルを活用した集客。すでに多くのファンを獲得しているアイドルを企業のウグイス嬢化するというアイデアの実現に向けて動き出しているのだ。
ハワイと日本を行き来して暮らす、時間とお金を同時に手に入れる、アイドルと事業を結びつける。こういったユニークな発想が生まれるのも、小林氏が“無国籍自由人”であるからだろう。ただ、小林氏は、実体験を経て身につけたノウハウを独り占めしようとは考えていない。ここまでお読みになって思うところがあれば、コバヤシコンサルティングファームの扉を叩いてみてはいかがだろうか。
小林護(こばやしまもる)
ハワイ滞在21年目
東京都出身 高校卒業後渡米
ミズーリ州立大学卒業後三井不動産販売(株)勤務等を経てハワイにてセミリタイア・プチ移住を専門に取り扱うコバヤシコンサルティングファーム起業。
全米ビジネスマンオブザイヤー(2004年)、ベストオブホノルル(2010~2013年)等受賞
【主な著書】
「ハワイゆうゆうセミリタイア術」,「目からウロコのハワイらくらくプチ移住術」などハワイ関連多数
【公式サイト】www.hawaiijiten.com
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