日本の代表団による訪中が続いている。中国メディアによれば、3月下旬から5月初旬までの約50日間に、日本の10の代表団が訪中して中国側要人と会談したという。一方、4月には胡耀邦の息子である胡徳平氏が来日、5月には与党自民党の高村正彦副総裁が「日中友好議員連盟」代表団を率いて訪中した。社民党も5月下旬に訪中する予定だ。冷え切った日中関係は改善に向かうのだろうか。
しかし、中国国内の雰囲気は相変わらずだ。CCTV(中国中央電視台)は相も変わらず日本叩きを繰り返し、その勢いはむしろ強まっている。
中国メディアが特に最近攻撃しているのは、安倍晋三首相の欧州訪問である。テレビや新聞はこの訪問を「安倍の欧州宣伝作戦」と称し、これまで以上の激しさで批判した。
「中国、韓国のトップが訪問した直後、安倍はあわてて欧州に向かった。そこでやったことは国際宣伝戦である。釣魚島争奪が激化する中、欧州各国の支持を取りつけることだった」(環球時報)
「日本の首相、安倍晋三が欧州の10日間の旅でやったことは、中国脅威論の誇張だ。中国の軍事費は不透明で、中国が東海(東シナ海)、南海(南シナ海)で実力による現状変更をし、日本周辺の安全環境を悪化させているので中日は一戦を交えることは不可避であるとし、その脅威論は扇動的で危険性の高いものだった。安倍が煽る中国脅威論は、集団的自衛権を解禁する改憲の根拠を与えるものとなっている」(解放日報)
またCCTVは「ドイツ式の謝罪はしない」という安倍首相の発言を取り上げて大々的に批判した。中国メディアによる猛烈な日本攻撃に影響を受け、国民感情はむしろ悪化している。