週刊NY生活 2012年7月14日403号
独立記念日である4日の前後に、ニューヨーク市内のタイムズスクエアやセントラルパークなどで、「日本は慰安婦問題を解決せよ」と訴える内容のチラシ数千枚が撒かれた。
韓国メディアによると、このほかタイムズスクエアやユニオンスクエア、ワシントンスクエアなどを合わせ計2500枚が配布された。ソーホーやチャイナタウンにもチラシ500枚を張り付けたという。
配付したのは韓国の誠心女子大学の徐敬徳(ソ・ギョンドク)客員教授と韓国人留学生8人。チラシは今年5月29日に徐教授がニューヨークタイムズ紙に載せた慰安婦関連全面広告とほぼ同じデザインで、「DO YOU REMEMBER?(覚えていますか?)」という見出しにブラント西独首相(当時)がナチス・ドイツ時代のユダヤ人虐殺を謝罪する写真を大きく掲載し、「日本はドイツのこのような姿を学ばなければならない」と訴えている。
徐教授は国連の各国大使宛てにも同様のチラシ(広告)と英文資料を送付したという。韓国系米国人市民参加センター(KACE、クイーンズ区フラッシング、NJ州ハッケンサック。今年4月に韓人有権者センターから改名)が国連での慰安婦決議案採択に向けた取り組みを本格化すると聯合ニュースなどが報じた。
米下院は2007年7月、慰安婦に対する日本政府の謝罪を求める決議案(121号決議)を採択したが、今月24日には採択5周年行事が決議案を発議した日系3世のマイク・ホンダ議員の議員室で開かれKACEが米議会として国連決議案を発議するよう、国務省への説得を要請するという。
在ニューヨーク日本国総領事館は次のようにコメントしている。
「日本政府としては、いわゆる従軍慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であると認識しており、心からお詫びと反省の気持ちを表明してきました。条約等の当事国との間では賠償並びに財産および請求権の問題は法的に解決済みであることから、アジア女性基金により対応することが最も適切かつ最善の方法であると判断し、その後、政府として元慰安婦の方々へ医療・福祉支援事業や『償い金』の支給等最大限の協力を行ったところです。今後とも状況を注視しつつ、わが国政府の立場に理解が得られるよう、引き続き努力していく所存です」
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