日本人の多くが久しく忘れてしまっている国家コンセプトがある。そして、うっかり忘れている間にそれは揺らぎ始めてしまった。
忘れてないか、日本は世界の大国を目指してきたことを
日本は世界の大国を目指してきたという事実である。
明治維新以後、富国強兵、殖産興業によって世界の大国たろうとしてきた。
第2次世界大戦に負けた後は経済で世界の大国を目指し、今から44年前に国内総生産(GDP)で米国に次いで世界第2位となり、経済大国の座を手にした。
しかし、その座はもはや危うい。
円高の進み具合によっては、今年、中国に世界第2位の座を明け渡さなくてすむかもしれないが、それは時間だけの問題である。
その後もインドやブラジルなどに次々と抜かれていくのは避けられない。
別にGDPだけが大国の証ではないので、日本はしばらく世界の大国であり続けることには変わりがないだろう。
しかし、日本人はこれからも大国でいたいと思っているのだろうか。そして、そのための努力をしようとしているのだろうか。
これは問題と言うよりも、国家経営の根幹に関わることである。