オーストリアの古都ウィーン南東にあるウィーン・シュヴェヒャート国際空港。去る7月、米・露から飛んできた2機の旅客機の乗客が、この地で着陸後矢継ぎ早に入れ替わり、2時間後には両機は再び出発地へと戻っていった。
米国とロシアのスパイが交換されたウィーン国際空港
米英大衆紙の1面を賑わしたロシア美人スパイ〔AFPBB News〕
世界を騒然とさせた米国で逮捕されたロシアのスパイ10人と、ロシアで服役中の米国スパイ4人との交換が行われたのである。
冷戦の再燃と煽る報道もあったが、外交に表裏があるのは当たり前。
こうしたことが表沙汰になることは極めて異例だが、いわば「裏の外交」を少々意図的に表に露出した劇場型パフォーマンスにより、米露関係が少々風通し良くなったことをアピールしているようにも見える。
ウィーンの街並み交換の地にウィーンが選ばれたのは、オーストリアが永世中立国であることが理由の1つだが、スパイ活動に絶好の場所もやはり中立国。
第2次世界大戦中はスイス、そして戦後はこのオーストリアもその場となっているようで、スパイ映画にもよく登場する。
国益のみならず私欲に溺れてスパイ活動に従事している者もいるが、その報酬はスイスの秘匿口座で、というのも常套手段となっている。
タブロイド紙はスパイの代名詞とも言える「007」こと、英国諜報部員ジェームズ・ボンドが活躍する映画題名をもじったセンセーショナルな見出しの記事を、こぞって掲載している。
そんな中の1つ、『007/ロシアより愛をこめて』(1963)では、ボンドはトルコの古都イスタンブールへと、まず飛ぶ。
イスタンブール我々日本人にとっても西欧人にとっても、トルコの歴史はアタチュルクのトルコ革命の後から現在までの間が空白だらけでいまひとつ分からないのだが、第2次世界大戦中は中立国として振る舞っていた。
しかし、実際には連合軍が至る所に陣取っており、トルコ人にとって歴史的に常に脅威であるロシア(ソ連)の動きが気になっていた。
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