目前に迫った「軽減税率制度」の実施。これにより店舗では、“軽減税率制度に対応したレジの購入や改修”“価格見直しや税率設定”“スタッフへの教育”などを行う必要がある。しかし、とりわけ小規模店舗の準備が遅れているという。実施まで半年の期間があることや日々の店舗運営と並行しての対応となるため、時間・手間・コストがネックとなり対応が進んでいないようだ。正しい対応ができていないと、顧客満足度の低下や売上毀損(きそん)に直結してしまう可能性も懸念される。軽減税率制度の導入によって大きく変化する会計シーンに、店舗はどう対応すべきか。「Airレジ」を提供する、株式会社リクルートライフスタイル Airシリーズ統括プロデューサーの林裕大氏に聞いた。

日本で初めて実施される軽減税率制度とは?

いよいよ2019年10月1日から日本初の軽減税率制度が導入される。本制度では「飲食料品(お酒や外食サービスを除く)」と「週2回以上発行される新聞(定期購読されるものに限る)」は「軽減税率8%」の適用対象品目となり、該当しない多くの対象外品目は「標準税率10%」が適用される。しかし昨年あたりからたびたびテレビや新聞の報道で取り沙汰されるのは、同じ食料品でも軽減税率の対象品目になったりならなかったりする、その“線引き”のややこしさだ。

例えば、コンビニエンスストアでは「その場で食べれば10%、お持ち帰りなら8%」。さらには「酒類である“みりん”は10%、飲食料品である“みりん風調味料”は8%」などなど……。会計を担当するスタッフ全員が、対象品目の税率の正確な把握を求められるのだ。

出典:「特集-消費税の軽減税率制度」(政府広報オンライン)

軽減税率制度の実施にあたり店舗側に求められる準備

店舗では、軽減税率制度の実施に伴って、毎日の仕事の各段階で新しい作業や確認が必要となる。中小企業庁が配布している「軽減税率まるわかりBOOK」では、以下のようにまとめられている。

出典:「消費税軽減税率まるわかりBOOK」(中小企業庁)

例えば、値付けでは、適用税率や原価の変更を踏まえた設定にする必要がある。仕入れ値の増分を加味しつつ、利益が出る価格設定を行わなければならない。
販売では、取扱商品の税率の把握はもちろん、レシートへの正しい表示が求められる。これまでレシートに対応できていなかった店舗はこのタイミングで備える必要がある。その他、毎月の支払いや税の申告に至るまで、店舗の対応項目は多岐にわたる。では、これらの対応の中で、特に店舗運営上のネックとなるものは何だろうか。またそれは改善可能なことなのだろうか。

テクノロジーの力で店舗の業務支援に取り組んできたAirシリーズ統括プロデューサーの林裕大氏は「中でもやっかいなのは販売です」と、軽減税率制度導入における店舗の課題を挙げる。

「平成元年4月1日に導入を開始した消費税は時代とともに3%、5%、8%と税率を変化させてきました。たとえ税率は変わっても、合計金額に1つの税率を掛ける計算プロセスは変わらなかったわけです。しかし10月からは“税率の異なる品目ごと”に合計金額を算出しなければなりません。この商品は8%なのか、10%なのか、対象品目ごとにレジを打ち分ける必要がある。それに対応できる従業員教育や環境整備なども急がなくてはならないでしょう」(林氏)

リクルートライフスタイル Airシリーズ 統括プロデューサー 林 裕大 氏

リクルートライフスタイルが、昨年11月、小規模店舗(5店舗未満)のオーナー・店長1,047名を対象に行った「消費増税・軽減税率制度に関する店舗の意識調査」によると、軽減税率制度の認知が9割超にまで拡大しているのに加え、準備の必要性を感じている店舗も5割超に達していた。しかしその反面、実際に準備を完了している店舗は1割以下にとどまっていたという。なぜなのだろうか。

「準備をしていない理由のうち最も多かったのは『必要な対応は分かっているが時間や手間、コストなどの事情から準備が進められていない』で、そう回答した方は43.6%にものぼりました。中には、手間やコストのことを考えるととても対応できないので、全て8%で統一し、軽減税率2%分は店舗側で負担したいという声もありました。それだけ、スタッフ全員が税率を正確に把握することが大変なのです」(林氏)

ともあれ、会計オペレーションが煩雑になるばかりでなく、スタッフに対する教育コストも増大。過大に請求すればクレームにつながるし、過小請求であれば店舗の負担になる……。とりわけ小規模店舗ならば、軽減税率制度未対応の旧式レジではとても手を尽くせなくなる、と言えるだろう。

解決策として注目されているモバイルPOSレジ

現状の単一税率から複数税率になることで、単純な会計オペレーションの増大、スタッフ教育コストの増大に加え、レジのシステム改修・買い替えに追加コストも発生する。これらの解決策として近年注目が集まっているのがAirレジをはじめとするモバイルPOSレジだ。周辺機器を全てそろえても3万~10万程度におさまるコスト感も店舗には魅力のようだが、何が選ばれる理由なのだろうか。

「何よりもモバイルPOSレジの場合、事前に設定しておいた商品を選択するだけでカンタンに会計ができます。これなら、会計オペレーションも変わりませんし、スタッフへの教育コストも不要です。また、中小企業庁が指定する『軽減税率対策補助金』の対象商品であれば、タブレットは2分の1、周辺機器は4分の1の負担で済むため、さらにコストも抑えられます。」(林氏)

さらに、モバイルPOSレジの利点について林氏はこう語る。

「海外の事例を考えると、複数税率はどんどん複雑化する可能性があります。また直近では、同日からキャッシュレスの消費者還元も予定されていますし、2023年にはインボイス制度の対応も控えています。モバイルPOSレジであればこれらの制度変更に対し、アプリのアップデートだけで対応が可能です」(林氏)

今後ますます多様化する可能性は否めない日本の会計シーン。税制が改正されるたびにシステム改修やレジの買い替えを行うのは負担以外の何物でもないだろう。

Airレジの軽減税率制度への取り組み

店舗が消費増税・軽減税率制度に対応するためには、事前に、増税後の新価格や商品ごとの適用税率(標準税率/軽減税率)をレジに設定する必要がある。その設定はレジごとに千差万別だが、とくにAirレジはカンタンさを追求しているという。

「設定をなるべく少ない操作で、迷いなく対応できるよう、レジ業務に携わるオーナーや店長を訪問し、開発中の画面の使用感や要望を随時ヒアリングしています。直近のヒアリングでは、多くの店舗からiPadやパソコンなどの大きな画面を見たままタップするだけで設定ができる点、カテゴリごとに適用税率が変更できる点などについて、『これなら自分で設定できる』『増税前夜を穏やかに過ごせそう』などの声をいただくことができました」(林氏)

Airレジの軽減税率に対応した設定機能は春ごろリリースされる予定だ。林氏は「年度も変わるこの春のタイミングに、そろそろ準備を始めて余裕をもって10月1日を迎えてほしい」と強調する。

 

また同日(10月1日)には「キャシュレス・消費者還元事業」の実施も予定されている。店舗のキャシュレス化についても、一緒に使うことでより便利になる店舗の決済サービス「Airペイ」と連携すればカンタンに対応できる。「Airペイ」は、店舗向けの決済サービスで、クレジットカードや交通系電子マネー、QR決済など業界最多水準(25種類)の決済手段に対応できる。こちらにも政府は補助金を検討しているようなので、これを契機に、「Airレジ」や「Airペイ」へのスイッチを検討してみてはどうだろうか。今後想定されるあらゆる変化に対し、アプリのアップデートひとつで対応できるソリューションを導入することで、ビジネスをより円滑に進められるようになるはずだ。

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