物流とITは切っても切り離せなくなっている。効率の良い輸配送計画の立案や倉庫のマネジメントなどにITは不可欠な存在となっているからだ。その一方で「システム導入で何がどれだけ良くなるのか」「最近流行のIoTで物流はどう変わるのか」など、分かりづらい部分もある。まずはその疑問に答えるところから顧客の物流を改善しようというのが東洋ビジネスエンジニアリング(略称:B-EN-G)だ。製造業に強い同社ならではのノウハウも数多く蓄積している。今回の国際物流総合展では何を前面に打ち出すのか、同社の菅原氏に尋ねた。

 

最新の国際物流管理システムを国内初披露

 B-EN-Gは、ERP(基幹業務パッケージ:Enterprise Resource Planning)を軸に据えたソリューションを提供している。近年は、ビッグデータの活用が求められることから、グローバル化に対応したSCMの構築も手がけ、顧客の支援を行っている。顧客の8割以上は製造業だ。

「製造業の方々は、いかにして早く、安く、安全に自社商品を届けるかに関心を持たれています。私たちは荷主となる製造業のみなさんへ最適なソリューションを提供していきたいと考えています」

菅原 一雅氏
東洋ビジネスエンジニアリング株式会社
ソリューション事業本部
第2営業本部 営業部
副部長
菅原 一雅氏


 今回の国際物流総合展2016では、ステージでのデモンストレーションと展示、そして特設会場でのセミナーを立体的につなげ、同社が得意とする垂直統合を支えてきた豊富な製品群を分かりやすくプレゼンテーションする。

 目玉は独AEB社の国際物流管理システム『ASSIST4』だ。すでにシンガポールやタイでのセミナーでは日系企業から高い関心を集めていたが、いよいよ日本でのお披露目となる。

「オーダー管理、請求管理、在庫のトラッキングなど、これひとつで全方位的に網羅できるシステムです。ドイツの企業のシステムなのでSAPとの相性がいいのも魅力的です」と菅原氏は説明する。

ASSIST4のソリューション概念図ASSIST4のソリューション概念図
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 担当者の手を煩わせることの多い国や港ごとに異なるHSコードも、自社の品目コードと紐付け登録しておけば、自動的に振り分けることができる。

「これまでは、貿易事務担当者が多忙になると物流が滞る場合も見受けられましたが、ASSIST4は業務の自動化を支援するため、その問題を解消できます」

 従来から人気を博している製品も出展する。その代表格がピッキング作業を効率化する『Vocollect』だ。ヘッドセットを装着したピッキング担当者へは、音声で棚番や個数が指示され、担当者からの作業実績報告も音声でできる。すでに世界65カ国、4000社以上で導入されている実績のあるソリューションだ。

 

騒がしい場所でも無理なく使える音声ソリューション

 B-EN-Gのデモンストレーションは分かりやすく、前回の国際物流展でも好評を博していたが、今回もバージョンアップして臨む。デモンストレーションは1日6回ほど行う予定だ。

東洋ビジネスエンジニアリング前回物流展の様子

 「音声を使ったソリューションについては、識別力に疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、デモをご覧いただければ、Vocollectの実力を実感していただけるでしょう。おそらく80から90デシベルはある、ざわついた国際物流総合展の会場でも、スムーズに音声認識ができるからです」

 入力に関する展示では、情報の記録や参照を紙に代わってタブレットで行うためのソリューション『RAKU-Pad』も取り上げる。

RAKU-PadRAKU-Padの機能


 「最近は、『IoTで課題を解決したい』『上層部からIoTに取り組めと言われたが何をしていいか分からない』という声をお聞きします。IoTは、現場のデータを集めることから始まるのですが、大変でもありますし、面倒でもあります。だからこそ、入力を簡略化するソリューションの導入をお勧めします。現場からの正確なデータがすばやく上がれば、それを管理、分析することで、スピーディな経営判断ができます」

 たとえばVocollect やRAKU-Padをトレーサビリティシステムとして機能する『Apriso』と組み合わせると、容易に製品や仕掛品の製造プロセスをさかのぼれる。

 

トラッキングシステムの構築はリスクを低減する

 「企業活動のグローバル化により、どこか一カ所の工場でのミスが全世界に影響することが多くなりました。しかし、IoTを絡めたトレーサビリティシステムが整っていれば、原因を突き止めやすく、問題の製造ロットだけの流通を止めて回収し、それ以外のモノはそれまで通りに販売するなど、被害範囲を限定することができます」

 入力の簡略化は、リスクの低減にもつながるのだ。

 同社はこのほか、Kinect ® for Windowsなどのモーションキャプチャーを使い、作業者の姿勢や動きを3Dで測定・分析できる『RAKU-Motion』の紹介も行う。ベテランと初心者の作業の差異を可視化したり、標準的な動きからの差異を見出したり、作業負荷低減のヒントを見つけたりし、作業効率の向上を支援するソリューションだ。

 「たとえば梱包作業を分析するなど、物流の現場で活用できると考えています。動作の数値化を実感していただける場もご用意しますので、みなさまからのご意見を伺いたいですね。」

 もちろん、さまざまな相談にも展示会の現場で応じる。

「前回同様、よろず相談所としてお待ちしています。たとえば、『在庫管理を効率化したい』と漠然とお考えでも、お客様の現状に応じて、打つ手は異なりますから、医師が問診をして診断書を書くように、お話を伺って最適なソリューションをご提供したいと考えています。弊社にそのソリューションがない場合には、他社ご紹介も含めて検討します」

 すでにB-EN-Gと取引のある企業の来場も歓迎だ。

「『B-EN-GはERP』のイメージをお持ちのお客様も多いので、過去、本展示会で『こんなソリューションも持っていたのか』と驚かれることがたびたびありました。ぜひ、今回も、B-EN-Gの新しい側面を見つけていただきたいと思います」

 気軽にB-EN-Gのブースに足を運び、課題解決のきっかけをつかんでもらいたい。

 

来場者事前登録はこちら

【第12回国際物流総合展 9/13(火)~9/16(金)】は過去最大規模で開催予定。
ご来場の予約は下記URLの「来場者事前登録」より、お申込みください。
http://www.logis-tech-tokyo.gr.jp/

 

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