50年連続でフォークリフトの国内販売台数でNo.1を達成し続けているトヨタL&F。フォークリフト発売60周年、物流システム発売30周年を迎えた同社は、今年の国際物流総合展2016で、過去最大となる162小間の展示を計画している。「ニッポンの物流美~この国の物流を、あたらしく、うつくしく。」というテーマで展開する同社に、展示の見どころや物流産業の未来について、株式会社豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー 国内営業部 販売企画室の服部敦哉室長に聞いた。
一億総活躍社会を物流の未来で切り開く
トヨタL&Fが、国際物流総合展2016で示す物流の未来には、どのような思いが込められているのだろうか。物流産業に限った課題ではないが、少子高齢化社会をむかえた日本では、人手不足が深刻になっている。その一方で、スマートフォンの普及などにより、通販(EC)サイトの需要は拡大し、小口な宅配の数は増加の傾向にある。人手不足と物流需要の拡大、この相反する問題を解決するために、トヨタL&Fは「ニッポンの物流美~この国の物流を、あたらしく、うつくしく。」というテーマを掲げ、展示スペースでは、未来の物流の姿を紹介していく。その具体的な解決策の提案とは、どのような展示になるのだろうか。
トヨタL&Fカンパニー
国内営業部 販売企画室
室長 服部敦哉 氏
「例えば、物流センターの出荷再現では、最新のテクノロジーを活用したピッキングシステムを展示します。オートメーション化を推進するさまざまなデバイスやシステムを組み合わせて、ウェアラブル端末によるビジョンピッキングなど、物流センターが『うつくしく』なる未来の姿を紹介します。」と服部氏は説明する。
政府は、一億総活躍社会の推進を提唱している。その目標に向けて、あらゆる人たちが活躍するための物流ソリューションはあるのだろうか。
「これまで、物流や生産の現場で働く人の中心は男性でした。しかし、最新の生産ラインでは、物流機器やモノづくり現場の「からくり」改善を組み合わせることで、多大な力を必要としない製造工程を構成できます。バンパーラインの現場再現では、実際に女性が中心となって、バンパーを組み立てる工程を実演します。生産ラインの再現を通して、ぜひトヨタの生産・物流方式を実感していただきたいと思います」と服部氏。
過去最大の展示規模で3つのテーマを展開
一億総活躍社会に向けた新たな物流ソリューションを展開するトヨタL&Fカンパニー。その展示の概要を改めて確認しておこう。
「今回の展示は、過去最大となる162小間に3つの大きなテーマで展示を行っています。一つは、豊田自動織機 長草工場のバンパーラインの現場再現です。もう一つは、流通・通販物流センター 出荷工程の現場再現です。そして三つ目が、現在開発中のものも含め機台をフルラインアップで展示します」と服部氏は説明する。
それぞれの展示テーマは、3つに整理されている。
まず、豊田自動織機 長草工場のバンパーラインの現場再現では、トヨタ生産・物流方式を実際に見て実感してもらえるように、車の製造ラインの中から現場の一部を再現している。製造の組立ラインは、コンベアで搬送するのが一般的だが、今回の展示ではキーカートというAGVを使った搬送を実演している。また、流通・通販物流センター 出荷工程の現場再現では、実際の顧客の出荷現場をイメージした展示内容となっている。最新の自動化システムによって、少ない人数で効率よく出荷が行える様子を紹介する。そして、機台展示では、最新の燃料電池フォークリフトをはじめとして、初代フォークリフトから開発中のコンセプトモデルまで一堂に展示される。
現場の声に支えられてきたフォークリフトの過去と現在と未来が一堂に介する
トヨタL&Fのフォークリフトといえば、今年で国内販売台数50年連続No.1という実績を誇る。国内だけではなく、海外でも市場を伸ばし、まさに日本を代表する産業機械といえる。その成功の理由について、服部氏は次のように分析する。
「私どもは、常にフォークリフトを使われるお客様の現場の声を真摯に受け止めて、製品の改良を積み重ねてきました。そうした努力の成果が、市場でもっとも支持されるフォークリフトを育てたのだと思います。今回は、そうした弊社のフォークリフトの歴史と未来を実感していただけるように、現在開発中の機台も含めてフルラインアップで展示いたします。これまで、開発中のコンセプトモデルを事前に紹介することはしていませんでした。ですが、これからの物流はお客様と一緒になって創り上げていくものと思い、開発中の機台も紹介せさせていただくことにしました。また、ゼロ・エミッションの実現に向けて、開発に取り組んできた燃料電池(FC)フォークリフトも展示します。ぜひ、来るべき水素社会を実感していただけたらと願っています」
物流ソリューションが生み出す新たなビジネスモデルを体感できる展示の数々
国際物流総合展2016といえば、やはり物流産業に携わる来場者が多い。しかし、今回のトヨタL&Fの展示ブースには、物流や生産などに携わっていない他業種の方々にも、数多く来場してほしいと、服部氏は期待を込める。
「物流関係の皆様はもちろんですが、これまで物流や生産などに携われてこなかったお客様にも、ぜひ足をお運びいただけたらと思っています。例えば、弊社のお客様の中には、自動倉庫の技術を応用して、納骨堂を建設された寺院様もございます。今後の物流ソリューションは、物流や生産の現場だけではなく、サービス業をはじめとして、様々な産業において、省力化や自動化を推進するためのテクノロジーとして、導入が進んでいくと考えています。少子高齢化の課題を解決し、一億総活躍社会の実現に向けて、トヨタL&Fとしてお手伝いできることが、まだまだあると思います。そうした未来の日本の『あたらしく、うつくしい』社会の可能性を展示会場で感じていただきたいと思います」
物流の力で日本の課題に挑むトヨタL&Fの展示を通し、ぜひ自社の問題を解決する糸口を見つけてもらいたい。
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【第12回国際物流総合展9/13(火)~9/16(金)】は過去最大規模で開催予定。ご来場の予約は下記URLの「来場者事前登録」より、お申込みください。
http://www.logis-tech-tokyo.gr.jp/
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