NTTデータ 取締役常務執行役員 テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野長の冨安寛氏(撮影:今祥雄)

 国内有数のITサービス企業であるNTTデータが、ドラスティックに社内体制や役割の変革を進めている。2022年度に発表した中期経営計画では、新たな価値を創造するべく5つの戦略を立案した。同社が変革に注力する背景や戦略のポイントは何なのか。テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野長の冨安寛氏に聞いた。

提言から実装、成果創出まで一貫して提供しビジネス拡大を目指すための5つの戦略

――提言型に力を入れる戦略を打ち出されています。その背景を教えてください。

冨安 寛/NTTデータ 取締役常務執行役員 テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野長

1990年NTTデータ通信に入社。2007年NTTデータ技術開発本部部長、2011年ソフトウエア工学推進センタ長、2015年技術革新統括本部基盤システム事業本部システム方式技術部長、2017年技術革新統括本部システム技術本部長、2020年技術革新統括本部長を経て、2023年7月より現職。

冨安寛氏(以下敬称略) 例えば、当社の主要な顧客に金融機関があります。金融機関が提供するサービスは、長らく信用が第一でした。その考え方が大きく変化しています。デジタル化が進んでいることなどを背景に、信用第一の金融機関でさえ、日々変化・多様化する顧客ニーズを捉える必要が出てきているのです。この状況に対応するべく、金融機関から当社に対しては、変化に強いシステムが求められるようになっています。

 こうした変化を受け、当社も大きく変革していかなければならないと考えています。金融機関に限らずさまざまな企業と取引がある当社としては、企業や業界・社会の変化を先回りして提言することが求められていると感じています。