GDC(Game Developers Conference)が、7月21日に初めてベトナムで開催された。GDCとは世界各国のゲーム開発者が集まる年次会議だ。

 ベトナムで開催されたこの年次会議で、総合インターネットメディア運営会社VNGコーポレーションのレ・ホン・ミン社長が、「2012年、ベトナムのゲーム業界の売上高は4兆6000億ドン(約173億円)、ゲームユーザーは1500万人に上る」と発表した。

めざましい発展を遂げるベトナムICT産業

 ベトナムのゲーム開発の歴史はまだ浅い。アジアのゲーム開発大国である韓国と中国では、ゲーム業界の売上規模(2012年見込み)は、それぞれ、20億ドル(約1564億円)、40億ドル(約3128億円)であり、それに比べれば、ベトナムのゲーム業界の売上規模はまだまだ小さい。

 しかし、ベトナムの4兆6000億ドンという数字は、ここ数年の急速な成長を物語っている。そして、その背景には、近年のベトナムICT産業全体の飛躍的な発展がある。

 ベトナムのICT産業はまだ緒に就いたばかりであり、携帯電話利用者普及割合、インターネット利用者普及割合、ブロードバンド加入者普及割合などのICT関連指標では、近隣のシンガポール、マレーシア、中国などと比べ低い水準にある。

ホーチミン市の人民委員会庁舎(ウィキペディアより)

 しかし、その成長性は高い。ソフトウエアサービス産業に着目すると、2006年3.6億ドル規模であった市場が、2009年には15.8億ドルと、3年間で4.4倍となっている。

 インターネット普及率も急速に上昇しており、新興市場としての高い潜在成長力が表れている。

 2005年にフィリピン、タイ、インドネシアの普及率を超え、2006年時点で世界平均(当時13%)を突破、さらに2007年7月時点で18.64%(インターネット利用者約1550万人)に達している(出所:財団法人国際情報化協力センター『アジア情報化レポート2008ベトナム』[2008年8月])。

 最新データ(2009年5月)によれば、インターネット利用者数2143万人、人口100人当たりの利用者数は25人、人口100人当たりのパソコン保有者数は5人となっている。