それにしても何でもやりたがる内閣である。1月14日に発足した菅政権の第2次改造内閣では、たちあがれ日本を離党した与謝野馨氏が経済財政相に就任、持続可能な社会保障制度や税制のあり方を議論していくのだそうだ。
何一つ問題解決できない内閣が超難問に取り組むという
マニフェストでは、子ども手当や農家の戸別所得補償のようなばらまき政策以外は、何一つ実現させていない中で、さらに新しい問題に手をつける。
もちろん、この議論は日本の将来にとって極めて大切だ。
しかし、攻めてはみたものの見事に空中分解した普天間基地の移設問題や八ッ場ダムの建設中止問題などよりも、ずっと難敵のはず。何か目算があってのことなのだろうか。
政策通と言われている与謝野氏に頼るというだけでは、全くもって頼りない。できもしないのに、何でも僕が私が、とやりたがる子供のような印象を受けてしまう。
これがうまくできなかったから、今度はこっち。それもうまくいかないから、次はこっち。国民新党の亀井静香代表の言葉を借りれば「実にみっともない」内閣に見えるのは私だけだろうか。
誰に教わったのか知らないが、まるで法廷闘争のように、目の前の相手をやり込めようという姿勢にも、リーダーとしての資質を疑ってしまう。相手をやり込めて敵をつくれば、政策の実現は遠くなるばかり。
本格的な改革に1日でも早く踏み切らなければならない日本にあって、このようにすべて中途半端で時間だけを空費する政権はただの害毒である。
本当にやりたいことがあって、それを身内からも野党からも批判されて困っているなら、すぐに解散総選挙で国民の信を問うべきだ。その勇気がないなら、すぐに辞職してほしい。
今の日本にはそんな人をリーダーにいただく余裕はない。何しろ、世界は大きな変化に向かって確実に動いている。