いよいよ切れた「減産ゲーム」の神通力

減産延長の動きに市場は無反応、原油価格は大幅下落の恐れ

2017.03.31(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49577
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 ブラジルのプレソルトの開発は専門家の間では自明のことだったが、ゴールドマンサックスが言及したことには意味がある。

 ゴールドマンサックスはさらに3月26日、「協議減産の延長は、市場関係者が『主要産油国は今後の原油価格の見通しを悲観している』と判断する可能性が高く、結果的に原油安を招く」と警告を発している。

 この発言は、OPECをはじめとする主要産油国には「もはや打つ手がない」ことを示唆している。原油価格は「今後当分の間下がることはあっても、上がることはない」とのコンセンサスができつつあると言っても過言ではない。

資産デフレが起きる可能性が高い中国

 今年、世界最大の原油輸入国になることが確実な中国では、昨年の原油輸入の伸びを牽引した独立系製油所(茶壺=ティーポット)が今年の石油製品の輸出枠を確保できなかったために、今後ロシア産原油を中心に輸入を手控える動きが確実になっている。

 問題なのは、中国でいよいよバブル崩壊が起きる可能性が高くなっていることである。

 日本ではあまり報道されなかったが、一部の中小金融機関が銀行間市場で借り入れを返済できなかったことが原因で、3月22日に人民銀行が金融システム全体に数千億元の資金を注入するという事態が発生している(3月22日付ブルームバーグ)。

 筆者はすぐに、会社更生法の適用を申請した三洋証券がインターバンクコール市場でデフォルトを起こしたことを思い出した。1997年11月のことである。当時の日本は戦後最大の金融危機前夜であった。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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