OPECが減産を延長しなければ原油価格は急落か

心中穏やかではない訪日するサウジアラビア国王

2017.03.02(木) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49305
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米国のガソリン在庫が史上最高水準にあることが懸念され始めている(写真はイメージ)

 原油価格は相変わらず1バレル=53~54ドルの「ボックス圏」内で推移している(相場の取引レンジは過去10年で最小となっている)。

 2月24日、OPECとロシアなど主要産油国が共同で設立した監視委員会は、「1月の原油生産量は、減産目標である日量約180万バレルの86%を削減した」と成果を強調した。ロイターによれば、2月のOPECの原油生産量は前月に比べて3万バレル減少した。このところOPEC閣僚らが減産合意の履行状況について「素晴らしい」や「前例にない」などと称賛する発言が目立っている。

 だが、成功だったと判断できる客観的な根拠、すなわち“世界的な供給過剰が縮小している”という確固たる証拠(在庫の減少など)は、今のところ明らかになっていない。

ガソリン市場は供給過剰

 むしろ現時点で在庫に関する最も信頼できるデータである米国の商業用原油在庫は、反対の動きを見せている。

 世界最大の原油消費国である米国の在庫は、主要産油国が減産を開始した1月1日以降3900万バレル増加し、史上最高水準となっているのだ(約5億1800万バレル)。その主な要因は、米国の原油生産量が2016年10月以降、日量約50万バレル増加していることにあるとされている。2月24日時点の石油リグ稼働数は前週比5基増の602基となり、原油生産量は日量900万バレルの大台を超え昨年4月以来の高水準となった。

 原油在庫に加えてガソリン在庫が史上最高水準にある(約2億5900万バレル)ことも懸念され始めている。1月のガソリン需要はリセッション(景気後退)期並みに減少した。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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