主要産油国の減産ゲームに飽き始めた市場

需要の減少が減産効果を打ち消しに

2017.02.17(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49197
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中国・北京の道路。中国の1月の新車販売は不振だった

 2月13日OPECが公表した月報によれば、今年1月のOPEC全体の原油生産量は、前月比日量平89.2万バレル減の日量3213.9万バレルだった。この生産量は、2016年11月末にOPEC総会で決定(減産合意)した上限目標(日量3250万バレル)を下回っている。

 国際エネルギー機関(IEA)は2月10日、「OPEC加盟国の1月の減産遵守率は90%(サウジアラビアの遵守率は116%)」という調査結果を発表した。非OPEC加盟国の減産遵守率は40%と振るわなかったが、OPEC加盟国の減産遵守率の数字を受け米WTI原油価格は1バレル=54ドルに上昇した。

 だが、週をまたいだ13日の原油市場ではこの調査結果は材料とならず、米国のシェールオイルの生産活動が盛り返していることなどが嫌気され、原油価格は約3週間ぶりの大幅な下げとなった(1バレル=52ドル台)。

「OPECが夏までに達成できる減産と、米国のシェールオイル増産など、減産の効果を薄めてしまう他国の増産を秤にかけなくてはならない」とする市場関係者は多い。そのため、「『強材料』が続いても、レンジ圏(1バレル=50~55ドル)の上値付近から続伸することなく調整の下げに転じる」との年初来のパターンが繰り返されたようだ。

「減産量をもっと拡大すべき」との声も

 クウェートの石油相は2月13日、「OPECの減産遵守率が100%に達すれば原油価格は上昇する」という楽観的な見方を示した。

 しかしOPECの月報のデータは、OPEC産原油の需給を均衡させるためには、現在の減産の規模が不十分であることを示唆している。データによれば、1月のOPECの生産量(3214万バレル)に対し、OPECが予測する今年第1四半期のOPEC産原油の需要量は日量3106万バレル、第2四半期の需要量は同3159万バレルとなっている。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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