主要産油国の減産ゲームに飽き始めた市場

需要の減少が減産効果を打ち消しに

2017.02.17(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49197
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 個別に見ていくと、中国の1月の原油輸入量は前年比27.5%増の日量804万バレル(前月比は3カ月振りのマイナスだった)と引き続き高水準であったが、低油価による国内の原油生産が低調であることがその主要因だと考えられる。

 中国で気になるのは、1月の新車販売の不振である。

 中国の業界団体(CAAM)が2月13日に発表した1月の自動車販売台数は、前年比0.2%増の252万だった。伸び率は昨年2月(0.9%減)以来最低となり、昨年12月(9.5%増)、11月(16.6%増)から大きく鈍化した。小型車に適用される減税幅が縮小したことなどが影響したとされているが、CAAMは今年の自動車販売は5%増となり昨年の13.7%増を大きく下回るとしている。1月の自動車在庫も390万台を突破し、2004年以来の記録的な水準に達した。2月はさらに増加することが確実視されている。

 中国では「茶壺」(ティーポット)と呼ばれる民間製油所の原油需要も大きく落ち込んだようだ。これまで2年近く、中国からの石油製品の輸出超過量が拡大を続けていたが、「茶壺」に対する石油製品の輸出枠が今年から撤廃されたため、1月の石油製品の純輸出量は44万トンと前月(200万トン超)に比べて大幅減になった。「茶壺」の石油製品輸出向けの原油輸入需要が消滅したことで、中国の原油輸入量が減少するのは確実だろう。

「第2の中国」と期待されるインドでは、1月の新車販売台数は約33万台となり、3か月にプラスに転じた。昨年11月の2種類の高額紙幣の廃止による経済の混乱の影響は四輪車では収まりつつある。一方で、現金決済が多い二輪車の販売台数は引き続き減少している(インド中央銀行は現金の引き出し制限を3月13日に解除するとしている)。

原油価格低下を招くかもしれない「伏兵」

 世界最大の原油需要国である米国の市場も、弱含んでいる。

 米エネルギー省が2月10日に発表した統計によれば、原油在庫、ガソリン在庫ともに過去最高となった。市場関係者が特に驚いているのは、ガソリン需要が直近1カ月で日量900万バレルから820万バレルに激減したことである。

 2月1日に発表された1月の米新車販売台数は前年比1.8%減の114万台となり、3カ月ぶりに前年比を下回った。過去最高を記録した昨年から一転、今年の販売は下向くとの見方が強まっている。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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