欧州中央銀行(ECB)がついに量的緩和に踏み切った。日本のような長く果てしないデフレに陥るのを防ぐためだという。タイミングはやや遅かったとはいえ、市場は好意的に受け止めているようだ。

好調な米国経済にも忍び寄る原油安の悪影響

今週のランキング
順位 タイトル
1 ついに始まった日の丸戦闘機開発、防衛以外の利点も
2 フランスより中国の方がずっと危ない理由
3 凶悪なテロ組織、イスラム国が台頭した理由
4 自衛隊が最も警戒すべき中国軍の5つの兵器
5 Wi―Fiで暴利をむさぼるホテルへの教訓
6 打ちのめされたロシア経済:よろめく足取り
7 鄧小平の時代に終止符を打った習近平
8 保育士による児童虐待事件:真犯人は韓国政府
9 国家の富を毀損する政治家・官僚に要注意
10 水陸両用車「AAV-7」の不自然な調達
11 現代自動車オーナー、株売却ハプニング劇
12 iPhoneのシェア、サムスンのお膝元で過去最高
13 「赤船」中国が迫る第2の開国
14 スイスフランの上限設定措置、短期的には成功
15 軍事研究解禁報道に学内騒然の東京大学
16 「もやし」を日本中に広めたのは戦争だった
17 過去に向かって歩き出した日本の地方政策
18 妻の不倫はセックスではなく恋をしたいから
19 過激なイスラム主義とどう対峙すべきか?
20 オーストラリアを悩ます「所得不況」

 一方、アジアを見ても例えば好調な成長を続けてきたタイ経済もここに来て停滞感を強めている。

 世界経済を牽引する米国経済も中身を見ればエネルギー産業の一本足打法。原油安の影響でFRBの利上げもまだ時期が定まらない。

 イスラム国が日本人を拉致拘束し多額の身代金を要求してきたのには彼らの重要な資金源である原油の売り上げが目減りしているという背景もある。

 2015年は先行き不透明な中で始まったわけだ。今回のランキングでも「不安」が見て取れる。

 さて、世界的に経済が不調な原因の1つは、売れるモノやサービスが乏しくなり需要不足が顕在化している点が挙げられるだろう。

 モノからサービスへと先進国だけでなく中国やロシアなどの新興国でも主役の交代が始まっているが、この「サービス」という市場の掘り起しが十分にできていないのではないだろうか。

 ITなどを使えばサービスの効率化は図れるが、付加価値の高いサービスを実現することは難しい。きめ細かいサービスには現場の人間の知恵と工夫が欠かせないが、IT化はむしろこうした部分をないがしろにする危険性があった。

 ITによる効率化は生かしつつ非常に付加価値の高いサービスを開発し発展させる――。

 ここに企業が発展する宝の山があることは間違いなく、また日本のみならず世界経済を発展させるカギがある。では、ITと日本的な現場力を組み合わせた新しいサービスの開発にどのように取り組めばいいのか。

 この点について日本で最も詳しい人材の1人がワクコンサルティング(神奈川県藤沢市)の松井拓己・サービスサイエンスチームリーダーである。松井さんは日々、サービスのイノベーションについて研究している。

 お客の心をつかんで離さないサービスとは何か。どうすればいいのか。そうしたテーマについて松井さんから話を聞ける機会がある。大塚商会が主催する実践ソリューションフェア2015で2月6日、「得点型IT投資のススメ。やや満足じゃ顧客はリピーターになりません!」(無料)の講演がある。

 ご興味のある方はぜひ足をお運びいただきたい。