同じような書類がインドのインフルエンサー業界あたりでもシェアされていたということは、その国の多くのクリエイターたちはティックトックに投稿しただけで報酬を得るばかりか、そのコンテンツをより広くシェアすることでも報酬が得られる契約をしていることを示している。
伝えられたところによると、クリエイターらは彼らのプラットフォームにおける人気度に応じて、月に250ドルから1750ドルを稼ぐことができる。それは、平均的な月収が425ドルあたりというような国でなら、とても気前がいい話ではある。
もしそういう仕事に就いているなら、噂では少なくとも1人のインスタグラムインフルエンサーに、その作品を売り歩くためにティックトックが払ったという額に比べると、はした金であるとはいえ、悪い仕事ではない。
ウォールストリートジャーナルによれば、バイトダンスは1本の動画を広めるために100万ドル以上の大金をしぶしぶ払ったことがあるという。「それは実際のところ中国ではきわめてありうる戦略です」とファビアン・アウエハントは言う。
彼は、これぞ中国ではプラットフォームにクリエイターを引きつける一般的な方法であると熟知している。今も世界中で運用されている2つのショート動画アプリを、バイトダンスがどのようにして育ててきたかをずっとモニターしてきたばかりか、彼のパートナーのエリンはドウイン最初のクリエイターであり、そして今もそうなのだ。
「彼女はその報酬を得た」と彼は言う。「ちょっとまとまったお金をね」
2016年ドウインがエイミーとして発足して間もなく、バイトダンスの代表者から接触を受けた彼女は、別のプラットフォームにベースを築いていて、会社がアプローチした20~30人のクリエイターのうちの1人だった。
皮肉なことに、バイトダンスはアウエハントのパートナーを、1年後には買収することになったアプリであるミュージカリーから、ヘッドハンティングしたいと狙っていたのだった。そのオファーは直球で届いた。