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 将棋に「定石」があるように、ビジネスには経営学者や実務家によって開発された「フレームワーク」がある。思考を助ける枠組みであり、アイデア創出やニーズの発見、課題の洗い出し、戦略立案、業務改善など、活用シーンはさまざま。その概要と使用法を心得ておくことが、ビジネスパーソンにとっての大きな武器となる。本連載では、事例・参考例が豊富な『ビジネスフレームワークの教科書 アイデア創出・市場分析・企画提案・改善の手法55』(安岡寛道、富樫佳織、伊藤智久、小片隆久共著/SBクリエイティブ)から、内容の一部を抜粋・再編集。

 第3回は、新製品や事業の構想に加え、既存の製品・サービスの見直しにも活用できる「バリュー・プロポジション・キャンパス」を取り上げる。

<連載ラインアップ>
第1回 斬新な着想を得るための「ランダム刺激発想法」とは?
第2回 商品開発のプロセスに顧客を巻き込む「コミュニティ共創法」と実施のポイントは?
■第3回 顧客の「欲しい」を見つける「バリュー・プロポジション・キャンバス」の使い方とは?(本稿)
■第4回 ライバルとの比較で独自のビジネスを構想する「戦略モデルキャンバス」の使い方とは?(7月4日公開)
■第5回 「儲ける仕組み」と「コスト構造」を明らかにする「収益モデル」の使い方とは?(7月10日公開)
■第6回 新たな成長戦略の策定に活用できる「アンゾフの成長マトリクス」とは?(7月17日公開)
■第7回 経済学者H・ミンツバーグが提唱したSWOT分析の発展形とその使い方とは?(7月24日公開)
■第8回 注力すべき事業・商品・顧客が分かる「パレート分析」とは?(7月31日公開)

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バリュー・プロポジション・キャンバス 概要

ビジネスフレームワークの教科書』(SBクリエイティブ)

 バリュー・プロポジション・キャンバスは、自社の事業や製品の価値提案」と「顧客のニーズ」がフィットしているかどうかを検証するフレームワークです。バリューとは「価値」、プロポジションとは「提案」という意味です。

出所:Strategyzerの図を参照し、筆者が翻訳して作成
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 バリュー・プロポジション・キャンバスは、上の図のように円と四角形の2つの図形で構成されており、左側の四角に「自社が提供する製品の構成要素」、右側の丸い部分に「顧客のニーズや情報」を記入します。

 なお、バリュー・プロポジション・キャンバスは、新製品や新サービス、事業の構想時だけでなく、既存製品やサービスの見直しにも活用できます。