提供するサービス領域によって棲み分けが進んでいたコンサルティング業界で、総合系ファームの存在感が高まっている。企業改革の上流から下流までを、プロフェッショナルが混然一体となり、スピード感を持って取り組むことが命題となっているのだ。総合系を代表するアクセンチュアの強みと人材像に迫った。
 

戦略と実行が一体となってスピーディに磨き込まれていく
総合コンサルティングの時代に

 「白髪アドバイザーの時代から、経営を科学的手法によって分析する時代を経て、ITの進化、デジタルの台頭と企業経営を取り巻く環境変化に伴い、コンサルティング業界は大きな変貌を遂げています。戦略を構想するだけでなく、その後の実行が重要度を増しており、従来はフェーズごとにサービスを提供するコンサルティングファームの棲み分けが定着していましたが、もはやそれでは手遅れになってしまう時代になりました。戦略と実行は同時進行に進められ、プロトタイプによる試行をスピーディに行い、ビジネスモデル、オペレーションを磨き込んでスケールアップしていくことによって、早期より大きな成果を上げていくことが求められているのです」

コンサルティング業界の変遷についてこう話すのは、戦略コンサルティング本部のマネジング・ディレクター和氣忠氏だ。エンジニアとして高速道路の計画・設計に携わった後、海外留学を経て経営コンサルタントに転じた。前職は戦略系のファームだったが、「より深く現場に入り込んで、戦略的判断と実行を同時一体的に進めていかないと、真の企業改革は実現しない」との思いを強くし、事業戦略、オペレーション設計からデジタル、IT、テクノロジーによるオペレーション実行支援も行うアクセンチュアに活躍の場を求めた。

戦略コンサルティング本部
マネジング・ディレクター
和氣 忠 氏

 世界最大規模の総合コンサルティングファーム、アクセンチュアが日本で業務を開始したのは1962年のこと。以降、半世紀以上にわたり日本企業のビジネス・パフォーマンスの向上を支援してきた。日本では現在、約5,200名の社員を擁し、グローバルで約30万5,000人から成る組織と連携しながらクライアント企業の課題解決に当たっている。

非上場のファームが多いコンサルティング業界にあって、アクセンチュアはニューヨーク証券取引所への上場を果たしている。「ニューヨーク証券取引所上場の審査基準の厳しさは言うまでもありません。株価を意識した経営や四半期ごとの情報開示、投資家向け広報(IR)など、上場企業の経営者のご苦労は、現場にいても肌感覚で理解しているつもりです」(和氣氏)。その社会的インパクトや企業倫理の高さは他の追随を許さない。
 

社内のデジタル機能を統合した新たな部門が誕生
ユニークな人材が集い化学反応を

 1989年、新卒として入社した製造・流通本部のマネジング・ディレクター伊佐治光男氏は、同社の強みについて次のように話す。 
「コンサルティング、デジタル、テクノロジー、オペレーションズという四つのサービスを融合させて提供している点に尽きます。四つの領域でそれぞれが他社よりも強くなければいけませんし、さらにこれらの統合効果の高さが非常に重要です。企業改革の絵を描くところから専門性の異なる人材が有機的に組み合わさることによって、企業改革のスピードアップを図ると同時に、改革のスケールを大きくすることができます」

素材・エネルギー部門を振り出しにキャリアを重ねてきた伊佐治氏は現在、自動車部品、製薬、小売り、産業機械、住宅設備といった幅広いクライアントを担当している。

製造・流通本部
マネジング・ディレクター
伊佐治 光男 氏

このようにアクセンチュアでは、サービスの焦点を業界軸に置き、各業界の歴史や固有の課題とテクノロジーとの両方に精通したプロフェッショナルがクライアントに応じたサービスを提供している。伊佐治氏の所属する製造・流通をはじめ、通信・メディア・ハイテク、素材・エネルギー、金融サービス、公共サービス・医療健康の五つの産業本部が併存。これを横断するように和氣氏の所属する戦略コンサルティング本部をはじめ三つのサービス部門が存在し、一体となって価値を出している。

さらに2014年、すでに強力であったデジタル機能を統合する形で、産業横断の四つ目の部門が誕生した。デジタルコンサルティング本部がそれだ。アナリティクス、モビリティ、インタラクティブという三つの組織で構成され、データ・サイエンティストやデジタルマーケティング・コンサルタント、エクスペリエンス・デザイナーなど、従来のコンサルティングやテクノロジーの枠組みにはなかった職種が用意され、ユニークなスキルを持った人材が集う「異能集団」とも呼ばれている。

デジタルコンサルティング本部 マネジャー 涌島 愛子 氏

経営コンサルタントを志し、アメリカのIT企業からアクセンチュアに移ったマネジャー涌島愛子氏もその一人だ。「戦略構想から企業改革の実行支援までを一気通貫で行っているのはアクセンチュアならではの強みであり、ブティック系のファームとはできることの規模が違います。新設されたデジタルコンサルティング本部は、スピード感をもって確実に成果を生み出すという使命を負い、クライアント企業の今日的なニーズに応える重要な存在だと考えています」

 

求められる人材はエネルギー・レベルが高く
「セルフスターター」であること

 アクセンチュアのクライアント企業は、売上高上位100社のうち91社が10年以上の顧客、99社が5年以上の顧客となっている。「戦略的判断力、実行力、人間性に長けている人材が多いことから、自然とクライアント企業とのパートナーシップは長期にわたることが多い」と和氣氏は説明する。

こうしてクライアント企業から高い評価を受ける同社の人材だが、コンサルティング、デジタル、テクノロジー、アウトソーシング・オペレーションズそれぞれの領域で、経験者をはじめ幅広い人材を募集している。求められる人材像とはどのようなものだろうか。

「素地としては、エネルギー・レベルが高い人。改革を進めるのが仕事ですから、クライアント以上にエネルギーがあって、相手を巻き込みながらまとめていく、そんな資質が求められます。馬力があるだけでなく、言われなくても自分で動き始められる『セルフスターター』性も重要です。このような前提が備わっていないと、いくらスキルだけを身につけたとしても活躍は難しいかもしれません」(伊佐治氏)

コンサルティングファームでは人が財産である。クライアント企業への提供価値を最大化するためにも社員の成長は不可欠であり、アクセンチュアでは人材開発・研修に大きなコストをかけている。国内外での集合研修に加え、3万コース以上のeラーニングから成る教育研修が充実している。

「とはいえ、研修だけを延々と続けるのではなく、早期に現場に出てもらいます。そこでみずから課題を見つけ、身につけるべきスキルは何なのか現場で気づきを得て、そのうえで主体的に各種のプログラムを選択してみずからを磨いてもらいます」(伊佐治氏)。ここでもセルフスターターとしての資質が問われるのだ。

エネルギー・レベルが高く、セルフスターターとしての資質を持つ人材にとっては、アクセンチュアは挑戦しがいのある舞台になると伊佐治氏は言う。「クライアント企業や社会に対して大きな効果をもたらす『スケール』の大きな仕事、そして『スピード』感のある仕事、絶え間ない『変化』のある仕事、そういった仕事ができる環境を約束します」

一方、最適なキャリアパスの形成をサポートする仕組みも整っている。アクセンチュアの社内には、幅広いキャリア機会があり、社員が独自のキャリアを個々に構築していく。2014年9月からは「キャリアズ・マーケットプレイス」というシステムもスタート、同社の世界中の異動先を検索し、応募できるようになった。
 

国籍や男女を問わず多様な人材が活躍し入社後も常に能力を磨く

 無国籍かつグローバルな企業として世界56カ国、200都市に拠点を構えるアクセンチュアは、人材についても国籍や男女を問わず多様性を重要視しており、中途採用の人材も働きやすい環境が整っている。

「クライアント企業には、日本法人と仕事をしていても、グローバル・ネットワークを持つアクセンチュアと契約しているという意識があります。その背後にある多様なナレッジやノウハウを求めるクライアント企業に対し、アクセンチュア・グローバルの一員として膨大な事例・情報から、より高いバリューを提供することを期待されます。また、チームワークを核にした文化で、多くの女性が管理職として活躍しているのも、特徴の一つです。女性に対する受容力が高い会社であり、各種支援制度によって家庭を大事にしながら仕事と両立することができます」(涌島氏)

事実、アクセンチュアの日本における女性活用の取り組みは高い成果を上げており、過去10年間で女性社員数は2.5倍に増加、既婚者、子どものいる女性の割合も倍増している。

「アクセンチュアで仕事を続けることはスピーディな成長のチャンスを得ることです。プロフェッショナルとして常に自分を磨き、自分の仕事によってクライアント企業と社会にインパクトをもたらした時の達成感はひとしおです。ユニークなタレントが混然一体となった組織で化学反応を起こし、それを楽しみながら成長していく。そんな存在になりたい方は、ぜひ一緒に働きましょう」(涌島氏)

「自分の成長のスピードは落ちていないか」――。
和氣氏がキャリアカウンセリングを担当する若手メンバーからは、こうした悩みを相談されることも多いという。
コンサルタントとしてきわめて健全な悩みである。実務経験の多寡を問わず、入社後も常に能力を磨き、切磋琢磨する人材に支えられ、アクセンチュアのコンサルティングは進化を続けている。

 

  社員一人ひとりのキャリアを個別にカスタマイズする仕組み

アクセンチュアでは、社員一人ひとりに経験豊富なキャリアカウンセラーがついてキャリア構築をサポートする「キャリアカウンセラー制度」がある。キャリアカウンセラーは社員それぞれのキャリアの選択肢を明示し、自身のキャリアゴールの設定や、次のステップに進むための社内ネットワークやリソースへのアクセスをガイドしてくれるほか、パフォーマンス・マネジメント・プロセスを通じて客観的評価をフィードバックしてくれる。「自分のキャリアの延長にいる上司や先輩が随時相談に乗り、広い視野のアドバイスが得られるため、一人で考え込む必要もなく、制度として非常に有効に機能しています」と涌島氏は話している。

 

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