EYアドバイザリーは、EYの日本におけるメンバーファームであり、4つのサービス・ラインの一つである「アドバイザリー」業務を担っている。その企業姿勢や人材育成方針には、大きな特色がある。
 

設立4周年を迎え順調に成長
ストラテジー・アンド・オペレーションにフォーカス

 EYはロンドンに本部を置き、世界150カ国の拠点、18万8000人のスタッフ(ともに2014年6月期)を擁する世界4大ファームの一つだ。EY Japanにおいても、新日本有限責任監査法人をはじめ、EY税理士法人、EYトランザクション・アドバイザリー・サービスなど実績を誇る有力なメンバーファームがそろう。

代表取締役社長
松井 晴彦 氏

 EYアドバイザリー(以下EYA)の松井晴彦社長は、「企業を取り巻くビジネス環境は、大きく変化しました。我々は多様な要請に応えられるよう、品質、規模の両面で成長し続けなければなりません。日本企業はいま、未体験の領域で戦っています。商品力や経営効率が優劣を分ける時代は終わり、ビジネスモデル対ビジネスモデルの戦いへ移行しています。そこでは戦略がカギとなりますが、目指すべきビジネスモデルは多様化し、戦略も複雑になっています。そのためにストラテジー・アンド・オペレーションにフォーカスして臨んでいます。デリバリー体制、教育、ナレッジ活用などの充実はもちろん、ファーム全体がスマートであることと、その環境づくりが重要です」とし、変化し続ける企業の要望に応える体制づくりに力を注ぐ。
 

日本基準のコンサルティングを世界に発信
2020年にコンサルタント2000人体制へ

 そのために重要なことは二つある、と松井社長は続ける。「一つは日本人が持つ品質へのこだわり、役に立ちたいと思う奉仕の心です。これはビジネスで強力な武器になります。この日本基準の顧客主義を、経営コンセプトの中心に据えています。もう一つは、思考と行動を制限しないこと。これによりコンサルタント一人ひとりの能力を最大化させることで、全体の能力を向上させます。ルールで縛るのではなく、日本の素晴らしさをカルチャーとして凝縮させ、その力で会社を一つにするのです」

 日本基準のコンサルティングの優位性を世界に発信する、この思いが同社の成長を後押ししている。現在コンサルタントは約500人だが、2020年には2000人になる、と松井社長は予測する。
 

ノルマなし。「脱KPI」で真の〝顧客第一主義〞を実現

戦略担当シニアパートナー
山内 基弘 氏

 同社には非常に稀な特色がある。一般にコンサルティングファームでは、パートナーなどの経営幹部が売上げのノルマを持つことが多い。同社シニアパートナーの山内基弘氏は、「売上げのノルマがあると、一人のパートナーが自分のチームだけで案件や人材を抱え込むことになりがちです。当社はパートナー全員で目標を達成しようとする社風があり、むしろ、パートナーはお互いにどれだけ助け合えたかが問われます」と語る。

 個人のノルマや中間KPIに囚われると、社内のチーム・プレーやコラボレーションが生み出す柔軟で斬新な思考を阻害しかねず、結果としてサービスが低下する。チームでなければ、現代の多様化、複雑化した経営課題に対応できない。そこで同社では、常に部門を超えたチームで事に当たるという。「チームワークを活かし、顧客企業が納得のいく全体最適な戦略を顧客企業とともに描き、実行までオールEYでお手伝いします」(山内氏)
 

カルチャーを中心にズレのない価値観で連携
自信を持って判断・行動

 設立4周年を迎え松井社長は、「カルチャーが社内に根づき、基盤がしっかりしてきました。ホップ・ステップ・ジャンプの、ジャンプの時だと感じています」と語る。

戦略担当ディレクター
土田 篤 氏

 さらなる成長に必要なのは人材だ。同社は利益の30%を教育研修など人材育成に投資して、力を注いでいる。コーポレート・ファイナンスや経営戦略の支援などを担当するディレクターの土田篤氏は、人材の育成スタンスについて、「EYAには入社1年目のコンサルタントでも、会議で自分の意見を自由闊達に交換できる空気があります。そして、正しい意見なら年次にかかわらず採用されます。EYAのコンサルタントに求められることは、物事の本質は何かを徹底的に考え抜く習慣なのです」と話す。マニュアルでは学べない経験が、可能性のある素材をさらに磨き上げる。

山内氏も、「大切なのは、考え方の基準が明確なこと」と続ける。基準とは、同社に根づく独自のカルチャーを指す。“誠実、Fairness(公正)”、“Strategic、Smart、Speedy”、“Team Build upしてTeam Workを保ち、最後にはChampionになろう”というものだ。

松井社長は、「顧客企業への対応はもちろん、社内の業務でも、たとえば『それはFairnessか』と常に問われますし、自問します。採用や人材育成においても、この判断基準は変わりません」と説明する。

「当社はまだ若い企業で、ベンチャーのような気質があります。変化に柔軟で価値観にズレがなく、迷いなく支え合うチームワークがあります」(土田氏)というように、全員が心に刻むカルチャーを軸に結束は固い。また同社では、経営環境の変化によるリストラなどの雇用調整は行わないというポリシーがあり、これも個々のモチベーションを高めている。

松井社長は、「社員は全員“仲間”です。会社の成長を一緒に喜べる人に、ぜひ参加してほしい」と語る。

 

 

 
EYは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームのネットワークです。より良い社会の構築に貢献することを理念に掲げ、日本においては、13のメンバーファームが、クライアントの課題解決とさらなる成長をサポートしています。

 

 

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