ボーナスの預金先は賢く選ぼう
12月はサラリーマンにとってうれしい冬のボーナス支給月。みずほ総合研究所は、2013年民間企業の冬のボーナス支給を、前年比+0.9%と予測している。これは冬のボーナスとしては5年ぶりの増加。アベノミクスの効果が少しは財布に表れる結果になりそうだ。
ちなみに、ボーナスの使途に関しては約7割の人が「貯金」と答えている。とりあえず使い道がないので、ボーナスが振り込まれた口座にそのまま置きっぱなしにする人や、そのまま定期に振り替える人も多いのではないだろうか。
しかし、1990年代末から2000年代にかけて政府が実施した金融ビッグバンの影響で、銀行の多様化が進んでいる。一度比較をしてみることをおすすめしたい。
なかでも近年、口座数を急激に増やしているのがネット銀行である。ネット銀行とは、営業上最小限必要な店舗のみを有し、インターネットや電話端末を介した取引を中心とする銀行。日本では、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行、大和ネクスト銀行などが営業している。
最近では給料などを振り込むメインバンクのほかに、スマートフォンで簡単に管理できるなどの理由からネット銀行をセカンドバンクとして利用する人も増えてきているという。さらに用途によって口座をわけると、お金の使い道が明確化され管理がしやすくなるというメリットもある。
そんなネット銀行の利点について、スマートフォンの利便性に力を入れている「じぶん銀行」の髙橋彰子さんに聞いた。
ネット銀行が人気を集めるワケ
「じぶん銀行は2008年に設立されたネット銀行です。三菱東京UFJ銀行とKDDIの共同出資によって立ち上げました。現在の口座数は150万口座、預金残高は5000億円です。口座数も預金残高も年々成長しています」(髙橋さん、以下同)
一説によれば、日本のネット銀行の口座数は1200万口座あり、すでに推定1000万人が利用しているという。誕生して10年少々のネット銀行だが、すでに国民の約1割をカバーする銀行に成長しているのだ。
なぜ10年少々でそこまでの急成長を遂げたのか? 理由はいくつか考えられるが、そのうちのひとつが――。
「ネット銀行の特徴のひとつに、預金金利の高さがあります」
従来の銀行が支店を中心に営業網を拡大するのに対し、ネット銀行は窓口をほとんど置かずインターネットを中心に取り引きされる。支店運営に必要な人件費や固定費が圧縮できる分だけ、預金金利を高く設定しやすい環境にある。
「当行では、来年1月31日まで、新規のお客様限定で3カ月もの円定期預金実質年率1.0%(税引後 年0.79%)のキャンペーンを行っています」
参考までに三大メガバンクの1年定期預金の金利は0.025%(12月2日現在)。キャンペーンとはいえ、1.0%が破格の金利であるのがわかるだろう。じぶん銀行に限らず、設定金利の高いネット銀行や、キャンペーンを行っている銀行がある。せっかくのボーナスを預金するのだから、少しでも金利の高いところに預けた方がいいだろう。
「利便性の高さもネット銀行の特徴です。パソコンやスマートフォン、携帯電話などインターネット環境さえあれば、銀行ATMに行かなくても、残高確認や振込みができる。通帳記帳をしなくても、残高だけでなく、どれだけどのように増えたのかもすぐに確認できます」