では、ビジネスプランに優劣がないはずならば、なぜビジネスプランコンテストのようなビジネスプランに優劣をつけるための取り組みが花盛りになっているのでしょうか。

 私の日々の仕事において、ビジネスプランを第三者に示した時に、賛同や参加したいという意志を示してもらえることは、最も嬉しいと思う瞬間の1つです。「こうしたらもっと良いプランになるのではないか」と意見を頂けることも多く、そうした時間はワクワクしながら議論を重ねられる、人生でも貴重な時間だと考えています。

 しかし、「自分が提案するプランに賛意や改善のポイントを頂くこと」と、「異なる領域で異なる事業を推進するために書かれたビジネスプランと、自分のプランを比較されるビジネスプランコンテスト」とは全く異なる活動です。例え自分の出したプランが他社のプランと比較し褒められたとしても、第三者が批評家的に他社の生き様をうんぬんするコンテストには、違和感や嫌悪感を押さえきれなくなります。

(また、ビジネスプランコンテストではなく、ベンチャー企業などの取り組みの現状や成果を、第三者が客観的に評価する取り組みには、意味と価値があると思っています。この違いが分かっていただけるでしょうか)

 では、世の中で盛んに行われているビジネスプランコンテストとは、そもそもプランの何を評価しているのでしょうか。身も蓋もない結論を言えば、審査員の立場にある人にとってメリットがあるビジネスプランかどうかを評価しているというのが答えになります。もちろん、そうではない審査員も少なくないとは思いますが、ビジネスプランコンテストも経済的動機が伴う活動なのだから当たり前のことです。

どのようなビジネスプランがあり得るか

 このあたりについて、話を分かりやすくするために、例を挙げて議論しましょう。

 例えば、有名国立大学Xに所属する准教授A氏(45歳)が考えた素晴らしい発明αを実用化するためのビジネスプランを考える状況にあるとします。この発明αは、世界の産業構造を変えうるポテンシャルを秘めたすさまじい発明です。発明αの基本特許の権利は、A氏と大学Xが共有しています。