なぜ仕事に追われしまうのか(写真:アフロ)

日本経済が停滞している要因の一つとして生産性の低さが指摘される。だが実際には「こんなに毎日忙しいのに」「真面目にちゃんと働いているのに」と思いながら働いている人も多いだろう。そんな悩めるビジネスパーソン向けに、トヨタ自動車、TBS、アクセンチュア出身の戦略コンサルタントである山本大平氏が新著『その仕事、生産性ゼロです』(日経BP)をまとめた。内容は多岐にわたるが、本稿では「忙しくて大事なことが後回しになってしまいます」という悩みに山本氏がどう答えているかを紹介する。

(*)本稿は『その仕事、生産性ゼロです』(山本大平、日経BP)の一部を抜粋・再編集したものです。

Q 忙しくて大事なことが後回しになってしまいます
いつもとても忙しく、提出期限の迫った案件を処理することにひたすら追われる毎日です。時間をかけてじっくり取り組むべき重要な案件も同時に抱えているのですが、目先の仕事に追われて手がつけられないまま期限が接近。結局、大事な仕事ほどバタバタとやっつけ仕事で終わらせるという悪循環に。どうしたらいいのでしょうか。

緊急度と重要度のかけ算で優先順位を決めよう

 質問は、提出期限まで1日、2日でパパッと手早く処理しなくてはならない案件と数日から数週間かけてじっくり取り組むことが必要な重要案件が、同時進行しているケースですね。

 しかもあなたはとても忙しい。次々に入ってくる緊急度の高い案件の処理に追われ、気にはなりつつも重要案件は後回し。ハッと気づいたら重要案件の期限は目前。焦ってじっくり考える余裕もなくギリギリで提出。ああ、もう少しデータを精査したかった。もっと突っ込んだ分析ができなかったのか、と悔やむ間もなく次の緊急案件が降ってきて……ということの繰り返し。まさに悪循環ですね。

 大事なことを後回しにしてしまうのはなぜか。