千差万別のご当地納豆、東北で好まれる納豆とは?

今もなお続く、“東高西低”の消費状況

2018.10.05(Fri) 佐藤 成美
筆者プロフィール&コラム概要
納豆。ねばねばや匂いが特有の食品。醬油やからしを加えるなどして、かき混ぜて食べる。

 納豆は体によいと注目される一方、独特の風味ゆえに好き嫌いが分かれる食品だ。また、納豆好きでも粒の大きさや食べ方などで好みが分かれるなど、ユニークな食品でもある。近年、食べ方にも多様化が見られる納豆に注目してみた。

納豆好きにはたまらない「粘りと香り」

 納豆は、昔から体によい食品といわれ、毎日のように食べる人も多い。全国納豆協同組合連合会による「納豆に関する調査(2017年)」では、全国2000人のうち14.6%は毎日食べると答えた。週に1回以上食べる人は61.1%を占め、納豆が私たちの食生活に欠かせない食品であることが示されている。

 納豆は、「塩辛納豆」と「糸引き納豆」に大別されるが、一般的に納豆と言えば、糸引き納豆を指す。蒸した大豆に納豆菌を加え、1~2日発酵させると、粘って糸を引くので糸引き納豆という。一方の塩辛納豆は、納豆を麹で発酵させたもので、豆味噌に近い。どちらも原料は大豆だが、異質のものである。

 大豆は栄養満点だが、消化が悪いのが難点だった。そこで、豆腐や味噌などさまざまな大豆加工食品が生まれた。納豆もそのひとつで、発酵させることで食べやすくなるだけでなく、粘りや香りなど独特の食感や風味が生じる。大豆のタンパク質が分解してできたアミノ酸はうま味になり、またアミノ酸からねばねばの成分であるポリグルタミン酸ができる。

 納豆好きにとってはあの独特の粘りや香りはたまらない魅力だが、嫌いな人にとっては逆に苦手なものとなる。「糸を引くのを見るのもいや」という人もいる。納豆は好みがはっきり分かれる食品だ。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。


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