姿はさまざまでも定番の卵焼き、失敗しないコツは?

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(5)卵焼き

2018.03.30(Fri) 三保谷 智子
筆者プロフィール&コラム概要

 焼き方は、(1)卵液の3分の1の量を入れ、半熟状になったら箸でくるくると巻き、手前に寄せる (2)空いたところに油を塗り、卵液の残りの半量を流して同様に半熟状になったら巻く (3)残りの卵液を流し入れて焼く (4)巻き簀で巻いて形を整える、というもの。この手順によって、卵が均一に混ざり、内側は流れない程度に火が通っていて、外側はうっすらと焼き色がついた厚焼き卵ができる。

 切り口を見て、層が1枚ずつ離れているのは焼きすぎ。卵が半熟状のときに巻かないとなめらかな層にならない。一方、部分的に生のところがあるのは焼き方が足りなく、卵液がやわらかいと形もくずれやすく、卵臭さも残る。卵焼き器を充分に熱さないで卵液を流し入れると、卵液がくっついて剥がれにくい。火が強すぎると焦げて、口当たりもよくない。

 最後に、肝心なのは、卵は余熱でも凝固することを忘れないこと。卵焼きでもオムレツでもスクランブルエッグでも、あと一歩というところで鍋を火から下ろすと、食べるときにはちょうどよい火の通りになっている。外側は焼けていて、中はやっと固まっているくらいの軟らかさのほうが、しっとりしておいしい。

鍋の進歩で卵焼きも作りやすくなり・・・

 わが家はフッ素樹脂加工の卵焼き器を愛用している。そのおかげで油の使用量も少なく、料理技術のない家族でも、卵液を焦げつかせることなく、厚焼き卵を作ることができる。卵液を半熟状ですべらせ、箸で巻くことができ、形よく仕上げられるのだ。

 多少は形は整っていなくても、完全に火が通る一歩手前でアルミ箔(巻き簀の代用)の上にとり出す。そのアルミ箔をきっちり巻いて形を整え、余熱で形が整う。そして冷めたころに好みに切り分ければ厚焼き卵の出来上がり。じつにありがたい鍋だ。

 みなさんのご家庭にあるのはプロが愛用している銅製の卵焼き器だろうか。それとも表面がコーティングしてある卵焼き器だろうか。料理ビギナーでも形よくできる道具で、料理を作る楽しさを味わってはいかがだろうか。

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三保谷智子(みほやともこ)

栄養と料理』元編集長。2011年4月から香川昇三・綾記念展示室勤務。学芸員。

東京都出身。1977年立教大学文学部史学科卒業後、香川栄養専門学校栄養士科(現 香川調理製菓専門学校)へ進学、「栄養士」の資格を取得。その後、1979年女子栄養大学出版部雑誌編集課に入職、約30年『栄養と料理』の編集に携わる。1988年より2011年まで、10年間編集長を務める。途中、同部マーケティング課、書籍編集課に在席。

独立行政法人国立健康・栄養研究所外部評価委員。「食生活ジャーナリストの会」会員、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」会員、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」理事。現在、『栄養と料理』で連載「レシピの変遷シリーズ」を執筆中。


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