ポテトサラダが映し出す日本人のマヨネーズへの情熱

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(2)ポテトサラダ

2017.10.06(Fri) 三保谷 智子
筆者プロフィール&コラム概要

変遷を遂げ定着した日本の家庭料理

1972(昭和47)年6月号。マヨネーズの基本とその応用3種を紹介。
拡大画像表示

 マヨネーズは、わさび、からし、粒入りマスタード、みそなどを混ぜるだけで味に変化がつくので、調味料として身近な存在だ。

 マヨネーズを自分で作ってみると、主材料は油(70~80%)であることに気づく。大匙1(12g)で約80kcalに相当する。口あたりがよいからと無意識に使っていると、知らぬまにエネルギーを摂ることになる。かつて、マヨネーズが大好きで、ごはんにもかけて食べるような人は「マヨラー」と呼ばれ話題になったことを思い出すが、マヨネーズの主成分は油と思っていたほうが賢明だ。

 この原稿の締め切りぎりぎりで見つけたのは、1908(明治41)年の『主婦の友』(櫻井ちか子編、大倉書店)という西洋料理書。櫻井はキリスト教主義の英女学家塾を開設した人物で、本書は明治中期に女子教育視察のためにアメリカを訪問し、入手した原本を基に編纂したもののようだ。

 その中に「馬鈴薯(じゃがいも)のサラド」があった。ゆでてさいの目に切った馬鈴薯と、細かく刻んだ玉ねぎをドレッシングであえている。そこには「林檎一箇を細かに切りて其中に交ぜれば一層味がよくなります」という一文があった。当初はマヨネーズではなく、ドレッシングであえていたのだろう。

 明治維新以降、さまざまな西洋料理が日本に紹介され、変遷をとげるが、マヨネーズであえたポテトサラダは、マヨネーズの普及とともに定着した日本の家庭料理ともいえそうだ。

いかがでしたか?
JBpress をブックマークしましょう!
Twitterで @JBpress をフォローしましょう!
Facebookページ に「いいね」お願いします!

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

三保谷智子(みほやともこ)

栄養と料理』元編集長。2011年4月から香川昇三・綾記念展示室勤務。学芸員。

東京都出身。1977年立教大学文学部史学科卒業後、香川栄養専門学校栄養士科(現 香川調理製菓専門学校)へ進学、「栄養士」の資格を取得。その後、1979年女子栄養大学出版部雑誌編集課に入職、約30年『栄養と料理』の編集に携わる。1988年より2011年まで、10年間編集長を務める。途中、同部マーケティング課、書籍編集課に在席。

独立行政法人国立健康・栄養研究所外部評価委員。「食生活ジャーナリストの会」会員、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」会員、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」理事。現在、『栄養と料理』で連載「レシピの変遷シリーズ」を執筆中。


食の万華鏡

食の安全に対して国民の関心が高まっている。今後、安全で美味しい食の供給国としての日本を考えた時にもこの問題は重要になる。食の安全の話題を中心に、食トレンド、食品マーケットなど、食にまつわる様々なテーマを取り上げる。